イントロダクション
Javaによる、足し算〜割り算のやり方をまとめました。はじめのコードの記述方法はJava Hello World はじめのプログラム 〜 Step1-1〜を参照してください。
ちなみに前回はこんな感じのことをやりました。メインメソッドの作成とハローワールドの実行です。
ハローワールドの解説
四則演算
はじめのプログラム、「ハローワールド」を実装したら次は、四則計算を行うプログラムを書きましょう。
はじめのプログラムで「文字列を表示する」事を行ったので、次は「計算結果を出力しましょう」ということです。
ちなみに、「パソコンは基本的に計算機なので、四則計算は基本になる」ということです。
四則演算の解説
文字表示の次は
四則演算を実装できるようになりましょう。ポイントとしては、変数の型と計算するための*演算子「+, -, , /」を理解する*ことです。
これらの演算子は、それぞれ「足し算(+), 引き算(-), 掛け算(), 割り算(/)を行うためのものです。
また、これらの演算結果を表示するSystem.out.println( ... );
の処理の引数(「()」)に表示したいものを渡します。
コードで書くと下のようになります。
System.out.println("文字列を渡す");
System.out.println(1 + 1); // 計算結果を渡す
// 文字列に統合されるので「文字列を渡す1」と表示される
System.out.println("文字列を渡す" +1);
<文字列と数値の違い>
Javaプログラムの書き方動画
IntelliJ IDEAを使用して、パッケージとクラスの作成、メインメソッドの作成を行った動画です。Windowsナレーターで解説しています。
実行する前に、IDE(開発ツール)をインストールしましょう。
変数の使い方
今回は、変数の扱い方を学習します。
プログラムを書くときには、データを一時的に保存する変数が必要になります。変数は下のサンプルコードように「データ型」「変数名」Ex: String moji
の順番で書くルールになっています。そして「=」は変数にセットするという意味です。String moji = "セットされる文字"
そして、大まかに変数の種類として以下のような分類があります。
- プリミティブ型変数:データそのもの、数値や文字など
- 参照型変数:クラス(Javaでは全てクラスで表現されます)型の変数。
ここで「Javaでは全てクラスで表現されます」と記載しましたが、「プリミティブ型はクラスではないでしょ?」と思った方。
スルドイ!
その通りです。しかし、プリミティブ型もクラスとして表現されています。俗にいうラッパークラスとして使用されています。
しかし、プリミティブ型はクラスではありませんので、ちょっと語弊があります。
プリミティブ型の例
じゃ、プリミティブ型ってなによ?と疑問に思うと思います。筆者も疑問に思いました。
ややこしい言い方にですが、「低レベルな変数」という言い方になります。
ラッパークラスの場合は、クラスの定義通り「フィールド」と「メソッド」を持っています。
プリミティブ型の場合は、持っていません。「0と1で表現される値」と表現する方が妥当だと思います。
整数値、プラスマイナスを含めて難なく表現できます。しかし、小数点は「浮動小数点数」などと、妙な言い方をします。
これは、2進数での小数点表記がややこしいためです。そのためにJavaでは「BigDecimal」クラスが用意されています。
つまり、プリミティブ型はクラスとは違い、「値しか持っていない」ということです。だからchar a = 'a'
とchar a = 65;
は同じ'A'という意味(値)になります。
プリミティブ型の値に関して
他にも、「0bx10101010」は、2進数表記で整数型(10進数)だと「170」になります。当然2進数は8進数、16進数などに変換することができるので
それぞれに変換することができます。そしてパソコンは計算機なので、そういう計算が得意です。
※リテラルという言葉の意味には「"XXX"」「123」などの表記も含まれます
進数 | 表記(リテラル) | 10進数 | 内訳 |
---|---|---|---|
2進数 |0bx1010 | 10 | 0 + 2 + 0 + 8 | |
8進数 | 010 | 8 | 0 + 8 |
16進数 | 0x9, 0xf, 0x1f | 9, 15, 31 | 9, 15, 15 + 16 |
ちなみに、上の2進数は8桁あります。これはデータの量で言うと「8ビット」つまり「1バイト」分のデータ量になります。
上記の「0b」は2進数表記の意味があります。そして以下のような形で書けばそれぞれの意味になります。これをリテラルと呼びます。
リテラル
変数名 | 表記(リテラル) | 意味 |
---|---|---|
byte | 0bx10101010 | 2進数を表現する8ビット分のデータ |
int | 1, -12 | ±の整数 |
double | 1.2, 0.4 | 浮動小数点数 |
char | 'a', 'i' | 1文字を表す、整数値でもセット可能 |
String | "moji" | 文字列 |
// 整数値を使用するときの変数型
int num = 0;
// 小数点を含む数値を使用するときの変数型
double shosu = 0.0;
// 真偽値
boolean isNumber = false;
// 文字1文字を格納できるシングルクォーテーションで囲む
char ch = 'a';
他にもありますが、少しずつ覚えていきましょう。
使わないと忘れますので。。。
ちなみに、char型の変数は文字列として使用したいときは以下のように配列にします。
char[] moji = new char[]{`a`, `b`, `c`};
リテラルとクラスの解説
参照型の例
自分で作成したクラスや、JavaAPIで用意されているクラスが参照型(クラス型)変数に格納できます。
// 文字列を表現するクラス
String moji = "hoge";
// int型のラッパークラス、下のコードは同じ意味になります。
Integer num = 1;
Integer num1 = new Integer(1);
// 同様にbooleanのラッパークラス(参照型になります)
Boolean isNumber = false;
Boolean isNumber1 = new Boolean
そしてクラスの型を「データ型」と呼ぶ時もあります。
どちらも同じ意味です。
※ ListとArrayListのJavaDocです。
// データ型 変数名(宣言)
int number;
// 初期化(文字列もクラス型です)
String moji = "文字列です";
// クラス型の変数(java.util.List, java.util.ArrayList)
List<String> list = new ArrayList<String>();</String>
データ型 変数名;
// int型の変数「num」を宣言。
int num;
データ型 変数名 = 値(数値、文字列、クラスなどデータ型による)
// int型の変数「num」を「1」で初期化。
int num = 1;
ここまで、ずらずらと説明してきましたが、ちょいと動かしてみます。Eclipseを使用してデバック実行したものを動画にしました。
四則演算の解説
四則演算の方法
1.「+」足し算
//「num」に2が入る
int num = 1 + 1;
2.「-」引き算
//「hiki」に1が入る
int hiki = 2 - 1;
3.「*」掛け算
// 「kake」に1が入る
int kake = 1 * 1;
4.「/」割り算
// 「wari」に2が入る
int wari = 4 / 2;
その他の演算(計算に使用)
5.「++」インクリメント
// 変数「num」に2が入る
int i = 1;
int num = i++;
6.「--」デクリメント
// 変数「hiki」に0が入る
int i = 1;
int hiki = i--;
「%」剰余: 割った時のあまり
// 変数「amari」に1が入る
int amari = 5 % 2
→5 / 2 = 2 余り 1
<サンプルコード>: ダウンロードできます。
// 変数宣言の例→早い話が初期化は値を入れるが宣言は値を入れない
int num1;
// 変数に値0をセット、以前の値は削除される
num1 = 0;
/*
*
* 変数の初期化
* 変数の宣言時に、値を代入する
* 変数 = 値(代入)
*/
public static void main(String[] args) {
int num1 = 1;
<span class="s2">int</span> <span class="s3">num2</span> = 10;
// 1.足し算
<span class="s3">num1</span> = <span class="s3">num1</span> + <span class="s3">num2</span> + 2;
// 2.引き算
num1 = num1 - num2;
// 3.掛け算
num1 = num1 * 3;
// 4.割り算
num1 = num1 / 2;
// 計算結果を表示
System.out.println("計算結果" + num1);
}
/** メインメソッド*/
public static void main(String[] args) {
int hidari = 0;
int migi = 1;
int answer = (hidari++) + migi;
// 計算結果が少数になる可能性があるので「double型を使用する)
double ans1 = answer / 2;
int amari = 3 / 2;
}
問題
問題を解いてみましょう。クイズとかなぞなぞを解く感じで実行してみましょう。
<問題1>
mondai1メソッドを作成し、コンソールに以下を出力してください。
「出力内容」
「2 + 2 は 4です」
<問題2>
mondai2メソッドを作成して、コンソールに以下を出力してください。
「10 % 3 は 1です」
<問題3>
mondai3メソッドを作成して、コンソールにいかをしゅつりょくしてください。ただし、変数firstとsecondを表示結果と同様に初期化処理を行ってください。
変数「first」を12(数値)で初期化
変数「second」を"abc"(数値)で初期化
「firstとsecondを連結すると12abc」になります。
ヒント
初めに動かすために作るものは
- クラス
- メインメソッド
コンソール出力するのに使うメソッドはなんでしたか?計算結果を出力するコードがこの記事内にあります。
よくわからない時は、とりあえず動かしてみましょう。
とりあえず自分が似たようなことをやってみました。使用している開発ツールはEclipseです。
数値の扱いを学習したのでちょっと数学的(算数的)な問題を作ってみました。
<問題4>
正三角形の面積を求めるプログラムを作成してください。
なお、プログラム引数の第一引数が正三角形の一片の長さになります。
※ヒント
プログラム引数の使い方は以下のような手順です。
ちなみに、プログラム引数の使い方は下のような手順です。※Eclipseでのやり方
Eclipseでプログラム引数を渡すときは下のように行います。
- 実行するJavaファイルを右クリック
- 実行⇒実行の構成
- 起動するクラスを選択、もしくは、検索
- 引数タブの「プログラム引数」に引数(文字列)を渡す
※プログラム引数を複数渡すときは間にスペースを入れる
リテラルに関して
変数の型に関しては、理解できたと思いますが、変数を宣言したときの右側部分
リテラルは文字列、整数型などの変数に値を設定する前。
つまりは、「=」の右側のことです。
「String a = "文字リテラル";」とか「int i = 10」などのような初期化をした時に出てくる右側部分です。つまりは、 「"文字リテラル"」と「10」がそれにあたります。
String moji = "文字リテラル"; int seisu = 10;
上のコードの場合は、文字リテラルが「"文字リテラル"」で整数リテラルが「10」になります。
細かい説明などはこちらの動画にしてありますので、よかったらどうぞ。
関連ページ
- Java はじめて 1 〜メインメソッド〜
- Java はじめて2 〜メソッドを呼び出す〜
- Java はじめて3 〜コメントの書き方〜
- Java はじめて4〜練習問題をやってみる〜
- Java はじめて5 〜変数について〜
- Java はじめて6 〜変数について2、byte, char, boolean型〜
- Java はじめて7 〜配列とは、配列の使い方〜
- Java はじめて8 〜booleanとif~
- Java はじめて 9 〜switch文〜
- Java はじめて 10 〜ループ処理A: for文1〜
- Java はじめて 11 〜ループ処理A: for文2 拡張for文〜
- Java はじめて12 〜ループ処理B: while文〜
- Java はじめて13 〜ループ処理C: do-while文〜
- Java はじめて14 〜クラスの作り方〜
- Java はじめて15 〜クラス型変数の使い方〜
- Java はじめて16 〜クラス設計から実装〜
- Java はじめて17 〜設計後の部品を実装する1〜
- Java はじめて18 〜設計後の部品を実装する2〜
- Java はじめて19 〜コンストラクタの役割を見る〜
- Java はじめて20 〜チェック処理クラスを作る〜
- Java はじめて21 〜オブジェクト指向的分析、アプリの拡張をする〜
- Java はじめて22 〜オブジェクト指向的分析、アプリ拡張の実装とテスト〜
- Java はじめて23 〜テスト駆動型開発を行う〜
- Java はじめて24 〜JUnitでのテスト駆動型開発1〜
- Java はじめて25 〜JUnitでのテスト駆動型開発2: テストケース作成〜
- Java はじめて26 〜JUnitでのテスト駆動型開発3: クラスの実装〜
- Java はじめて27 〜JUnitでのテスト駆動型開発4: 追加修正と実装〜
- Java はじめて28 〜JUnitでのテスト駆動型開発5: ファイル出力の実装〜
- Java はじめて29 〜JUnitでのテスト駆動型開発6: ファイル読み込みのテスト〜
- Java はじめて30 〜JUnitでのテスト駆動型開発7: テストクラスの実装方法〜
- Java はじめて31 〜JUnitでのテスト駆動型開発8: 処理をつなげたテスト〜
関連ページ一覧
[Eclipse セットアップ](http://zenryokuservice.com/wp/2020/09/01/%e9%96%8b%e7%99%ba%e7%92%b0%e5%a2%83%e6%a7%8b%e7%af%89%ef%bd%9ewindows%e7%89%88eclipse%e3%81%ae%e8%a8%ad%e5%ae%9a%ef%bd%9e/)
- Java Install Eclipse〜開発ツールのインストール〜
- TensorFlow C++環境〜EclipseにCDTをインストール〜
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- JavaFX SceneBuilder 〜EclipseとSceneBuilder連携~
Java Basic一覧
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- オブジェクト指向の概念2〜クラスとは〜