Java オブジェクト指向 ~設計図と実装のイメージをつなげる~

イントロダクション

下のようなツイートをしてみたところ。。。

複数の「いいね」をもらったので、自分の知っていることを記載します。

1. 設計と実装のつながり
2. 設計(クラス図)について
3. オブジェクト指向

結論から言うと「設計図(クラス図)は実装を示している」という認識です。
しかし、「オブジェクト指向で躓く人が多い」というウワサから想像するに、この部分は多くの人がつまずく部分だと思われます。

「躓いた数なら日本一」の自信がある自分としては、以下のものが不明瞭な認識のままではなかろうかと思います。
1. 設計と実装のつながり
2. クラス同士の関係
3. クラスのインスタンス化
4. 処理の追いかけ方

サンプルとして下のようなコンソールアプリを作成しました。
※ 以前作成したのものがありました。。。

これのクラス図も作成しました。

これらを材料にして設計(クラス図)と実装のつながりを見ていこうと思います。

# 1. 設計と実装のつながり
実装をしてない状態では、上記のイメージ(クラス図)のように、詳細な処理が書かれていない状態です。
この部分は「自分で考える」必要があります。

具体的には、**単純に疑問点を明確にしていく作業**があるということです。クラス図の内容を箇条書きにすると下のようになります。

1. MainBankクラスはCalculationクラスを持っている(属性を持っている)
2. MainBankクラスはメインメソッドを持っている(操作を持っている)
3. MainBankクラスはatm()を持っている(操作を持っている)
4. Calcurationクラスはyokingaku()を持っている(属性を持っている)
5. CalcurationクラスはgetYokingaku()を持っている(操作を持っている)
6. CalcurationクラスはsetYokingaku()を持っている(操作を持っている)
6. Calcurationクラスはnyukin()を持っている(操作を持っている)
7. Calcurationクラスはvalidate()を持っている(操作を持っている)
8. Calcurationクラスはcalcurate()を持っている(操作を持っている)
9. InputCheckerクラスはvalidNyukinHikidashi()をもっている(操作を持っている)

上のような内容だと**処理の内容が**わかりません。それもそのはず、コーダー(実装者)が行うべき仕事だからです。

早い話が、自分で考えましょうということです。

上のわかっていることで**確定しているところは「属性」**です。なので属性はそのまま実装していしまいます。

#### ポイントその1
フィールド変数に関しては明確になっている、一例ですが下のような部分です。
> 1. MainBankクラスはCalculationクラスを持っている(属性を持っている)

というのは、フィールド変数にCalculationクラスをもっていて、クラス図にある「-」はアクセス修飾子が「private」ということです。

<[MainBank.java](https://github.com/ZenryokuService/PracticeJava1/blob/master/PracticeJava1/src/jp/zenryoku/apps/atm/MainBank.java)>
```java
public class MainBank {
/** 金銭管理クラス */
private Calcuration cal;
}
```

<[Calcuration.java](https://github.com/ZenryokuService/PracticeJava1/blob/master/PracticeJava1/src/jp/zenryoku/apps/atm/Calcuration.java)>
```java
public class Calcuration {
/** 預金額 */
private int yokingaku;
```

<[InputChecker.java](https://github.com/ZenryokuService/PracticeJava1/blob/master/PracticeJava1/src/jp/zenryoku/apps/atm/check/InputChecker.java)>
```java
public class InputChecker {
}
```

## 2.設計(クラス図)について
設計(クラス図)について考えていきます。

#### 不明点のポイント
どのように実装したらよいか?というところに焦点を当てます。
不明点の残る「操作」に関してはとりあえずメソッドだけ作ってしまいます。
上のクラス図には詳細な返却値などの指定がないので、この部分も不明点 -> 自由に実装してよいところ、となるわけです。

メインメソッドは最後にします、それはこれから作成する「操作」をそろえてから、「不足する操作(メソッド)」を作ってから考えるべきだからです。※不足分を後で追加すると面倒なのです。。。

料理に例えると、先に作成する料理の、材料をそろえるようなイメージです。

まずは、不明点の洗い出しを行います。操作の内容が不明な状態なのでメソッドの一覧を作成することになります。

1. MainBank#main()に関してはメインメソッドなので最後にします。
2. MainBank#atm()は、名前からしてコーダー銀行アプリを起動するメソッドにします。
2. Calcuration#getYokingaku()は名前からしてフィールドの値を取得するメソッドにします。
3. Calcuration#setYokingaku()も名前からしてフィールドの値を設定するメソッドにします。
4. Calcuration#nyukin()メソッドは、名前からしてお金を入金するときのメソッドにします。
5. Calcuration#validate()メソッドは、名前からして入力チェックのメソッドにします。
6. Calcuration#calcurate()メソッドは、名前からして計算処理を行うメソッドにします。

ここまで作成したら、処理のイメージが湧いてくるかと思います。

大まかに、Calcurationクラスで、入金(出金)を行い、預金金額の管理も行う。というところです。

そのためには「入金(出金)(nyukin())」メソッドを用意して、計算処理のメソッド(calcurate())を用意して。。。

というような実装イメージがわくと思います。

具体的にメソッドの枠を作ってみましょう、具体的にはメソッドを空実装(中身の実装をしない)をしてみます。

### 実際の業務として実装するときは
「この部分に関しては「このように実装します。よろしいでしょうか?」などのように上長に確認しましょう。

### 操作の実装
早速、実装していきます。まずは入力(IN)と出力(OUT)を明確にします。この部分は設計の工程になります。
業務としては、この詳細な設計部分は設計書に記載されていることがほとんどですが、たまに「よろしく!」といわれることがあるので、そのときは、自分で考えます。

「このように実装します」という報告は忘れないようにしましょう。

まずは、設計図(クラス図)でもメソッドの量が多いので、CalcurationクラスのI/O(INとOUTのこと)を決定します。「空実装」を行うという意味です。しかし、ゲッターとセッターに関しては処理が決まっているので実装してしまいます。

ここまでの実装は以下になります。

```java
public class Calcuration {
/** 預金額 */
private int yokingaku;

/** コンストラクタ */
public Calcuration() {
}

/**
* 預金金額のゲッター
* @return the yokingaku
*/
public int getYokingaku() {
return yokingaku;
}

/**
* 預金金額のセッター
* @param yokingaku the yokingaku to set
*/
public void setYokingaku(int yokingaku) {
this.yokingaku = yokingaku;
}

/**
* 入金処理 or 引出し
* @param input 標準入力
* @param isNyukin
*/
public void nyukin(Scanner input, boolean isNyukin) {
}

/**
* 入力チェック処理
* @param in
* @return true: 入力エラー false: 入力OK!
*/
private boolean validate(String in) {
return false;
}

/**
*
* @param in 数字文字
* @param isNyukin ture: 入金処理 false: 引出し処理
*/
private boolean calcurate(String in, boolean isNyukin) {
return true;
}
}
```

### クラス同士の関係
上のクラス図にあるクラスは以下の3つです。
1. MainBank
2. Calcuration
3. InputChecker

これらの関係性を考えると、下のような役割を持たせてやるとよい関係が築けそうです。
1. MainBank => メインメソッドを実行する
2. Calcuration => 預金金額の計算、管理を行う。
3. InputChecker => 入力チェック処理を管理する。チェック処理はここに書くということです。

この部分(クラスの関係)は、アイディアの良し悪しが入ってくる部分ですのでプログラミングの面白いところでもあります。上記のような関係よりも良い関係があればそのように実装するべきです。

そして、それぞれのクラスの役割が決まってきたら次は、空になっているメソッドの実装を行います。

## 3.オブジェクト指向
ここで、頭の中を設計レベルに戻します。

具体的には、どのような処理を行うか?を考えるというところです。

以下のような、手順で考えるとよいと思います。

1. メインメソッドにコメントで処理の順番を記述する
```java
public static void main(String[] args) {
// 1.MainBankクラスのインスタンス化
// 2.MainBank#atm()メソッドを呼び出す
}
```

2. MainBank#atm()メソッドにコメントで処理の順番を記述する
```java
public void atm() {
// 1. コーダー銀行の受け付け開始文言を出力
// 2. 無限ループを開始
// 3. 初期画面の文言を出力
// 4. 標準入力を受け付ける
// 5. "bye"と入力があった場合は処理を終了する
// 6. 入力チェックをする
// 7. "in"と入力があった場合は入金処理を行う
// 8. "out"と入力があった場合は出金処理を行う
}
```
ここで、"in" もしくは "out" が入力されたときは入金処理を呼び出します。入金時と、出金時を区別するための引数も付けます。

3. 各部品クラス(Calcuration, InputChecker)に実装コメントを書く

この様にすると、不明点を明確にすることができるのではないでしょうか?

あくまでも自分の考えた「設計」なので、もっと良い「設計」があるかもしれません。

この様に、下のクラス(オブジェクト)に役割を持たせ、必要な処理(メソッド)を実装します。処理はなるべく周りに影響が出ないように、実装しているクラスのみに影響範囲が収まるように実装します。

具体的には、メソッドでほかのクラスの処理を呼び出す、用途が限定されるなどのような実装にならないようにするということです。しかし、他のクラスの処理を**必ず呼び出さない**というのも不適切な判断なので、この部分はフレキシブルに実装するべきです。

つまりは、実装の経験(自分で実装してみるなどの経験)により、より良い方法を身に着けることができます。

この様なところが**「知識」ではなく「技術」**なのです。

### クラスのインスタンス化
上記で出てきたクラスについて、考えます。
> 1. MainBank => メインメソッドを実行する
2. Calcuration => 預金金額の計算、管理を行う。
3. InputChecker => 入力チェック処理を管理する。チェック処理はここに書くということです。

ここで、特殊なのは「メインメソッド」です。これは**static**修飾子がついているので、MainBankクラスの中にあっても、定義したメソッド(メンバ・メソッド)を実行するためには、インスタンス化が必要です。
つまり「new」する必要があるということです。

インスタンス化するというのは、**PCのメモリ上に「クラス」で定義したオブジェクトを作成する**ということです。この部分は、とても抽象的なので理解に苦しみました。

自分の場合は、絵にするとわかりやすかったので絵にすると上記のようなクラス図と似たものになりました。
![](http://zenryokuservice.com/wp/wp-content/uploads/2020/11/import1-5.png)

今回の実装では、インスタンス化するクラスは1つなので、複数ある場合を顧慮しなくてよいですが、ただ一つインスタンス化していないクラスつまり、「new」していないクラスがあります。

InputCheckerクラスです。このクラスのメソッドはstatic修飾子がついていて、インスタンス化しなくてよいのです。

staticはクラスの「インスタンスに依存しない」ということなので、起動するあっぷりケーションには必ず1つです。

具体的にはメインメソッドが必ず一つです。そして、staticをつけたXXXメソッドはクラスに一つです。

例えば、上記のCalcurationクラスを複数作成した場合、預金額はCalcurationクラスのインスタンスの数だけ存在します。
```java
public stataic void main(String[] args) {
Calcuration calA = new Calcuration();
Calcuration calB = new Calcuration();

calA.nyukin(); // ここで、入金処理
calB.nyukin(); // ここで、入金処理

System.out.println(calA.getYokingaku());
System.out.println(calB.getYokingaku());
}
```
のように実装した場合は、calAとcalBで保持している預金金額の値が**別々に**計算されます。

逆に、預金金額の修飾子にstaticがついていた場合は、calAとcalBで保持している預金金額の値が**同じに**なります。

### 処理の追いかけ方
これは、そのまま読むしかないのですが、まずは決まっているところから記載します。
**まずはメインメソッド**から、処理が始まります。これは絶対です。
なので、メインメソッドの処理を追いかければそのまま処理を追いかけることになります。

詳細に関しては、すでに記載しているので割愛します。

以上で、設計図と実装のつながりが理解できたと思います。

如何でしょうか?

でわでわ。。。

## 関連ページ一覧

[Eclipse セットアップ](http://zenryokuservice.com/wp/2020/09/01/%e9%96%8b%e7%99%ba%e7%92%b0%e5%a2%83%e6%a7%8b%e7%af%89%ef%bd%9ewindows%e7%89%88eclipse%e3%81%ae%e8%a8%ad%e5%ae%9a%ef%bd%9e/)

  1. Java Install Eclipse〜開発ツールのインストール〜
  2. TensorFlow C++環境〜EclipseCDTをインストール〜
  3. Setup OpenGL with JavaJOGLを使う準備 for Eclipse
  4. Eclipse Meven 開発手順〜プロジェクトの作成〜
  5. Java OpenCV 環境セットアップ(on Mac)
  6. Eclipse SceneBuilderを追加する
  7. JavaFX SceneBuilder EclipseSceneBuilder連携~

Java Basic一覧

  1. Java Basic Level 1 〜Hello Java〜
  2. Java Basic Level2 〜Arithmetic Calculate〜
  3. Java Basic Level3 〜About String class〜
  4. Java Basic Level 4〜Boolean〜
  5. Java Basic Level 5〜If Statement〜
  6. Java Basic Summary from Level1 to 5
  7. Java Basic Level 6 〜Traning of If statement〜
  8. Java Basic Level8 〜How to use for statement〜
  9. Java Basic Level 8.5 〜Array〜
  10. Java Basic Level 9〜Training of for statement〜
  11. Java Basic Level 10 〜While statement 〜
  12. Java Basic Swing〜オブジェクト指向〜
  13. Java Basic Swing Level 2〜オブジェクト指向2〜
  14. サンプル実装〜コンソールゲーム〜
  15. Java Basic インターフェース・抽象クラスの作り方
  16. Java Basic クラスとは〜Step2_1〜
  17. Java Basic JUnit 〜テストスイートの作り方〜

Git関連

  1. Java Git clone in Eclipse 〜サンプルの取得〜
  2. Eclipse Gitリポジトリの取得 GitからソースをPullしよう〜
  3. IntelliJ IDEA GitGitリポジトリからクローン〜

## JavaFX関連ページ
1. [Eclipse SceneBuilderを追加する](https://zenryokuservice.com/wp/2018/11/17/eclipse-scenebuilder%e3%82%92%e8%bf%bd%e5%8a%a0%e3%81%99%e3%82%8b/)
1. [JavaFX SceneBuilder 〜EclipseとSceneBuilder連携~](https://zenryokuservice.com/wp/2018/11/17/javafx-scenebuilder-%e3%80%9ceclipse%e3%81%a8scenebuilder%e9%80%a3%e6%90%ba/)
1. [JavaFX SceneBuilder〜ボタンにメソッドを割り当てるワンポイント〜](https://zenryokuservice.com/wp/2019/02/05/javafx-scenebuilder%e3%80%9c%e3%83%9c%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%81%ab%e3%83%a1%e3%82%bd%e3%83%83%e3%83%89%e3%82%92%e5%89%b2%e3%82%8a%e5%bd%93%e3%81%a6%e3%82%8b%e3%83%af%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%82%a4%e3%83%b3/)
1. [Java プロコンゲーム 〜見た目の作成(SceneBuilderの使用)〜](https://zenryokuservice.com/wp/2020/03/30/java-%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0-%e3%80%9c%e8%a6%8b%e3%81%9f%e7%9b%ae%e3%81%ae%e4%bd%9c%e6%88%90scenebuilder%e3%81%ae%e4%bd%bf%e7%94%a8%e3%80%9c/)

## ステップアップ関連ページ一覧

  1. Java 初めてでも大丈夫〜ステップアッププログラミングのススメ〜
  2. ステップアッププログラミング〜Java FxでHelloWorld解説〜
  3. Java StepUpPrograming〜JavaFX で四則計算〜
  4. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替えを作る1〜
  5. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え2ボタン作成〜
  6. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え3アクション〜
  7. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え4Pane切り替え〜
  8. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え5WebEngine

## JavaFX + ND4Jで機械学習準備

  1. JavaFX + ND4J〜数学への挑戦1:ND4Jのインストール〜
  2. JavaFX + ND4J〜数学への挑戦2: 行列の計算〜
  3. Java + ND4J 〜数学への挑戦3: ベクトル(配列)の作成方法〜

## オブジェクト指向関連ページ
1. [オブジェクト指向の概念1〜OracleDocのチュートリアル1〜](https://zenryokuservice.com/wp/2019/10/301. /%e3%82%aa%e3%83%96%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%82%af%e3%83%88%e6%8c%87%e5%90%91%e3%81%ae%e6%a6%82%e5%bf%b5-%e3%80%9coracledoc%e3%81%ae%e3%83%81%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%83%ab%ef%bc%91/)
1. [オブジェクト指向の概念2〜クラスとは〜](https://zenryokuservice.com/wp/2019/10/30/%e3%82%aa%e3%83%96%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%82%af%e3%83%88%e6%8c%87%e5%90%91%e3%81%ae%e6%a6%82%e5%bf%b5%e3%80%9c%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%b9%e3%81%a8%e3%81%af%e3%80%9c/)

Java Discord

  1. IntelliJ IDEA Discord Botを作る〜Gradle環境のセットアップ〜
  2. Java Discord セットアップ〜Hello Discord〜
  3. Java Discord ピンポン〜Discordプログラム〜
  4. Java Discord Listener実装〜コマンドを好きなだけ追加しよう〜

Java オブジェクト指向基礎 ~オブジェクト指向コンセプト~

イントロダクション

※筆者が昔、オラクルの教科書(JavaSEの資格用教科書)とか、ウェブページを見ていて見つけたものを記載しています。
 出典元を忘れてしまいました。。。

オブジェクト指向という言葉は皆さん聞いたことがあると思います、これについてちゃんと理解しようと思います。

オブジェクト指向コンセプト

現代では、様々なプログラミング言語がありますが、そのほとんどがオブジェクト指向プログラミング言語だと思います。

そして、オブジェクト指向プログラミング言語は次のような特徴を持っています。

1.カプセル化:処理などをまとめること、外部から隠蔽する事

2.抽象化:対象から小さな特徴を除いて、本質的な特徴だけを集めた状態にする

3.ポリモーフィズム:同じインターフェースでありながらデータ型に合わせて異なる動作をする機能

4.継承:フィールド、メソッドを受け継ぐことができる機能。

絵にすると下のようなイメージです。

そして、JButtonクラスを継承して、オリジナルのボタンクラスを作成したときの動画です。

1.なぜオブジェクト指向か

システム開発における課題」 -> 開発期間の短縮
顧客の要求やサービスは、早いサイクルで変化します。そのためシステム開発に多くの時間を
かける余裕がありません。それどころか、開発が進んでいる最中に、要求やサービスの内容が
変わっても期間内の対応が求められます。

つまり、仕様変更があっても開発期間が変わらないので、多くの開発者が会社にお泊りすることが
多々ありました。

システムの仕様変更に伴うコストの削減

前述の通り、開発途中で顧客の要求する内容が変わることもありますが、そのたびに初めから
作成していては、期間が延びるだけでなく、費用がかさみます。顧客は最小コストで最大限の
成果を期待します。

この様な問題点に対応するためには、システム開発において、次のことを実現するべきです。

実現するべきこと

  1. 以前に作成したプログラムを再利用する
  2. 大勢のエンジニアで共同開発を行う
  3. プログラムの変更箇所をいち早く特定し対応する
  4. あるプログラムの変更がほかのプログラムに影響しないようにする

もし、巨大な1本のプログラムとして構築したら、これらを実現するのは、困難です。しかし、システムを管理しやすい単位で分割し、それらを組み合わせる形式で構築すれば、これらを実現することができます。

この分割の単位をオブジェクトとするのが、オブジェクト指向による開発です。

2. オブジェクトとは

それでは、システム分割単位である「オブジェクト」とは、いったいどのようなものでしょうか。
ここでは、「エアコン」を制御するプログラムを例にそれを見ていきます。

下の図ではエアコンが持つ情報や機能を書きだしたものです。「電源」は電源の情報(状態)、「設定温度」や「運転モード」は使う人が操作した情報(状態)を示すものです。
一方、「電源をON(あるいはOFF)にする」「運転モードを切り替える」「設定温度を変更する」などは、エアコンを操作するための機能です。

エアコンを例にすると。。。


表1<エアコンの制御プログラム>

役割分担を行い、それぞれの役割に状態管理をするためのフィールド(情報)を持たせます。プログラムコードにすると下のような形です。

public class DengenKakari {
   /** 電源 **/
   private boolean switchON;

   /** 電源をON,OFFにする */
   public void switch(boolean switch) {
        this.switchOn = switch;
   }
}
係(役目) 情報(状態) 機能
電源係 電源 電源をON、OFFにする
温度係  設定温度 設定温度の変更
温度係  現在の室温 現在の室温を測る
運転係  運転モード 運転モードを切り替える
運転係  運転モード 温度差によって動作を変える

エアコンを制御するプログラムは、こうした情報(状態)を保持し、参照しつつ使う人の操作に応じてエアコンを動作せます。

<ポイント>

情報(状態)と機能は密接にむずびついて1つの係・役割を担い、それ以外の情報(状態), 機能から互いに独立しているということです。
そして、エアコンが操作されるとそれぞれの係は、互いに要求を行い、連携して動作します。

運転モードの着替え時の場合

運転モードを「冷房」から「ドライ」に変更する操作が行われたら、「運転係」から「温度係」へ設定温度の変更をする「要求」が行われます。また、「運転係」は現在の室温と設定温度を確認しないと動作(冷やす、温める)を決められないので、「温度係」にそれらの情報(状態)を問い合わせます。

この場合、「係」に相当するのが、システムにおけるオブジェクトです
また、「温度係」が電源のON/OFFを切り替えたり、「運転係」が設定温度を変更したりしません。
それぞれの係は自分のすべきことが明確に分かれています(独立性)。

子の係の独立性のおかげで、オブジェクト指向による開発では、作業もオブジェクトごとに独立して進めることができます。開発を終えたオブジェクトは、他のオブジェクトから簡単に利用することができます。また、おかしな動作を押する箇所が出ても、オブジェクト単位で調査・修正するので、利用しているオブジェクトへの影響を軽減することができます。
これにより上記の実現するべき点をかなえることができます。

オブジェクト指向言語の機能

Java言語を使用した場合、オブジェクトをどのように表現するのか見ていきましょう。ここでもエアコンの制御プログラムを例に確認します。

先ほどの表(下の図)を見ながら読み進めてください。

属性と操作

表1<エアコンの制御プログラム>

係(役目) 情報(状態) 機能
電源係 電源 電源をON、OFFにする
温度係  設定温度 設定温度の変更
温度係  現在の室温 現在の室温を測る
運転係  運転モード 運転モードを切り替える
運転係  運転モード 温度差によって動作を変える

前節では、係がオブジェクトに相当することを説明しました。さらにオブジェクト指向では、上の図
にある情報(状態)のことを属性と呼び機能のことを操作と呼びます。
例えば、電源系(電源オブジェクト)は「電源」という属性と「電源をONにする」「電源をOFFにする」
という操作が一つのセットにな手出来ています。
温度係(温度オブジェクト)も運転係(運転オブジェクト)も同様です。

つまり、オブジェクトは属性と操作を一体化することで表現されます。

属性と操作

属性と操作について詳しく見ていきましょう。属性は変数として、表現され、名前と値を持ちます。

  • 属性「室内温度」⇒値「30度」
  • 属性「設定温度」⇒値「27度」

属性をプログラムで表現する場合の例

/** 温度係 */
public class Temparature {
  /** 室内温度 */
  int roomTemparature;
  /** 設定温度 */
  int settingTemparature;

 /** コンストラクタ */
  public Temparature() {
    // 例なのでコンストラクタで値を設定する
    roomTemparature = 30;
    settingTemparature = 27;
  }  
}

操作は、他のオブジェクトや自分自身(自オブジェクト)から呼び出されることにより動作し、
そのオブジェクトの状態を変えたり、さらにそこからほかのオブジェクトの操作を呼び出したり
できます。下の図Aでは、温度オブジェクトに「設定温度を変更する」という操作(メソッド)
が定義されています。エアコンの設定温度を変更したい場合には、属性へ直接アクセスするのではなく
この操作を呼び出します。
図A

属性と操作をプログラムで表現する場合の例

/** 温度係 */
public class Temparature {
  /** 室内温度 */
  int roomTemparature;
  /** 設定温度 */
  int settingTemparature;

 /** コンストラクタ */
  public Temparature() {
    // 例なのでコンストラクタで値を設定する
    roomTemparature = 30;
    settingTemparature = 27;
  }

  /** 設定温度を変更する */
  public void setSettingTemparature(int setTamparature) {
    this.setTamparature = setTamparature;
  }
}

カプセル化とデータ隠蔽

オブジェクト指向では、そのオブジェクトが持つ属性と操作を一体化して表現すると説明しましたが、
これをカプセル化と呼びます。

カプセル化には次のようなメリットがあります。

  1. オブジェクトの内部構造を知る必要がない
  2. 属性値の変更は、操作経由に制限できる
  3. 操作名が同じなら、内部構造が変わっても利用する側にそれを意識させない
  4. 属性に不整合な値が入らないよう、操作でチェックできる

エアコンの温度オブジェクトで、カプセル化のメリットを見ていきましょう。

エアコンの設定温度を変更する場合、リモコンなどから、エアコンの「設定温度を変更する」機能
を呼び出します。この時、エアコンの内部構造や制御プログラムなどを知る必要はありません(1)。

そして、それらに直接触れることもありません。ただリモコンで操作するだけです(2)。

もし、後継機種などで「設定温度を変更する」機能の仕組みが変わっても、操作方法が同じなら
そのことで困ることはないでしょう(3)。

さらに温度設定を100度にしたり、零下40度したりはできません。「設定温度を変更する」が、
そのような設定を受け入れないからです(4)。

また、2, 4により、属性を外部から保護することをデータの隠蔽と呼びます。

図B

抽象クラスは「new」できないから「getInstance()」メソッドを使用してインスタンスを取得する

クラスと継承

クラス

今度は、電源オブジェクトについてみていきます。
前述では、伝げのぶじぇくとの情報(状態)として「電源」、機能として「電源をONにする」と
「電源をOFFにする」を取り上げました。しかし、エアコンの種類によっては、電源をつけると
電気代を表示する機能や、フィルタの汚れ具合を確認し掃除ランプを表示する機能がついている
ものもあります。
これらすべてを電源オブジェクトとして表現したとき、「共通している属性や機能」と
「独自に持っている属性や機能」とに分けられます。

まず、この共通している部分に着目し、土台となるひな型を作成します。
この作業を抽象化と呼びます。また抽象化した結果、オブジェクトを作成するための土台となる

ひな型をクラスと呼びます。

下の図は電源オブジェクト(電気代), 電源オブジェクト(フィルタ)の属性と機能をそれぞれ洗い出した
結果、共通項目が見つかった様子を表しています。

図C

こうしたオブジェクトの共通項目を集め、定義した門が一般的な「電源」クラスとなります。

インスタンス化

クラスは、オブジェクトを作詞得するためのひな型です。つまり設計図にすぎません。
「電源」の設計図ができても、私たちが使える「モノ」ではないのです。
子の設計図であるクラスをもとにして、実際に使うことができる「モノ」にするにすることを
インスタンス化と呼びます。

例えば、下の図Dのようにエアコンを表現するためには、電源クラス、温度クラス、運転クラスが
必要です。それらをまとめるクラスとして、エアコンクラスが必要です。各クラスをもとにインスタンス化することで、それぞれオブジェクト(実際に使うことができる「モノ」)が作成され、実際のエアコンを表現することができます。

また、クラスをもとに複数のインスタンス化を行えば、複数のオブジェクトを作成することができます。
ふたつのエアコンオブジェクトが作成されれば、エアコンオブジェクトを二つ動かすことができます。

これらのオブジェクトは同じクラスから作成されているため、同じ属性・操作を持ちます、しかしエアコンオブジェクトは別々に動きます。

具体的には、上のエアコンオブジェクト二つをエアコンAとエアコンBとしたとき、Aの電源をONにしてBの電源をOFF似しておくこともできます。もちろんエアコンAは設定温度20度、エアコンBは設定温度30度として二つとも動かすことができます。

継承

先ほど説明した電源オブジェクトは、電気代を計算したり、ランプを表示する機能がついていません。
そして、この二つの機能を付けた電源オブジェクトを作成するときに定義する電源クラスを作成する
ためには、新たに電源クラスを作成しなくてもよいのです。

つまり、一度作成した電源クラスを拡張して新しいクラスを定義することができます。
これを継承と呼びます。

オブジェ駆使項では、継承の元となるクラスをスーパークラス(親クラス)と呼び、
拡張したクラスのことをサブクラス(子クラス)と呼びます

継承により定義されたサブクラスは、スーパークラスの属性、操作を受け継ぎます。
そのため、サブクラスでは独自に持つ属性、操作のみを定義するだけで済みます。
サブクラスをインスタンス化すれば、スーパークラスの属性・操作を引き継いだオブジェクトを
が生成されます。

JavaSwingの例

SampleClassクラスにJFrameクラスを継承しました。その時の実装動画です。

下の図Cのように、共通項目を洗い出し、新たに拡張したクラスを作成する手段として継承
あります。

図C

具体的には下のように実装します。

<電源クラス>

/** 電源クラス */
public class PowerSupply {
  /** 電源 */
  private boolean power;

  /** 電源ON */
  public void switchOn() {
    this.power = true;
  }  

  /** 電源OFF */
  public void switchOn() {
    this.power = false;
  }    
}

<電源クラス(電気代)>

/** 電源クラス(電気代) */
public class ElectricBillPowerSupply {
  /** 電気代 */
  private int electricBill;

  /** 電気代計算 */
  public void calcBill() {
    // 電気代計算の処理
  }
  /** 電気代表示 */
  public void calcBill() {
    // 電気代表示の処理
  }
}

インターフェースとポリモフィズム

私たちは日常でも、たくさんのオブジェクト(モノ)を利用しています。
それらの中には、全く物は別だが、同じ操作方法で利用できるものがあります。

例えば携帯電話はメーカー各社からたくさんの製品が開発・発売されていますが、「電話をかける」
や「電話を切る」という操作はマニュアルを見なくてもできるのではないでしょうか。
また、MDコンポ、CDコンポ、MP3プレーヤーはそれぞれ内部構造も再生する媒体も異なる機械
ですが、「再生」「停止」などの操作に迷わないと思います。

この様に、オブジェクトを利用する側に公開すべき操作をまとめたクラスの仕様のことを
インターフェースと呼びます。

また、共通のインターフェースを持つ操作でも、実際にはオブジェクトごとに振る舞いや動作が異なる
ことをポリモフィズム(多様性・多相性)といいます。

同じ再生ボタンでも、MDコンポ、CDコンポ、MP3プレーヤーの内部で行われることはそれぞれ違います。
もし、MDコンポ、CDコンポ、MP3プレーヤーでインターフェースを統一させていないとしたらどうでしょう。

使用者は、音楽を聴くためのオブジェクトを変える度に違う操作をしなくてはいけません。
これでは面倒で使いづらいでしょう。

プログラムの作成でも同じことが言えます。処理内容は異なるが目的は同じという機能であれば、
オブジェクトに対して、共通のインターフェースを定義し、ポリモフィズムを実現することで、
操作方法が統一され、利便性を高めることができます。ほかのプログラムを再利用することも容易です。

また、後でプログラムを手直ししてでも、機能を呼び出す方法が変わらなければ、
それを呼び出すプログラムには、なにも影響しません。これもインターフェースのメリットの一つです。

でわでわ。。。


<<< 前回 次回 >>>

関連ページ一覧

Eclipse セットアップ(Mac版)

  1. Java Install Eclipse〜開発ツールのインストール〜
  2. TensorFlow C++環境〜EclipseCDTをインストール〜
  3. Setup OpenGL with JavaJOGLを使う準備 for Eclipse
  4. Eclipse Meven 開発手順〜プロジェクトの作成〜
  5. Java OpenCV 環境セットアップ(on Mac)
  6. Eclipse SceneBuilderを追加する
  7. JavaFX SceneBuilder EclipseSceneBuilder連携~

Java Basic一覧

  1. Java Basic Level 1 〜Hello Java〜
  2. Java Basic Level2 〜Arithmetic Calculate〜
  3. Java Basic Level3 〜About String class〜
  4. Java Basic Level 4〜Boolean〜
  5. Java Basic Level 5〜If Statement〜
  6. Java Basic Summary from Level1 to 5
  7. Java Basic Level 6 〜Traning of If statement〜
  8. Java Basic Level8 〜How to use for statement〜
  9. Java Basic Level 8.5 〜Array〜
  10. Java Basic Level 9〜Training of for statement〜
  11. Java Basic Level 10 〜While statement 〜
  12. Java Basic Swing〜オブジェクト指向〜
  13. Java Basic Swing Level 2〜オブジェクト指向2〜
  14. サンプル実装〜コンソールゲーム〜
  15. Java Basic インターフェース・抽象クラスの作り方
  16. Java Basic クラスとは〜Step2_1〜
  17. Java Basic JUnit 〜テストスイートの作り方〜

Git関連

  1. Java Git clone in Eclipse 〜サンプルの取得〜
  2. Eclipse Gitリポジトリの取得 GitからソースをPullしよう〜
  3. IntelliJ IDEA GitGitリポジトリからクローン〜

JavaFX関連ページ

  1. Eclipse SceneBuilderを追加する
  2. JavaFX SceneBuilder 〜EclipseとSceneBuilder連携~
  3. JavaFX SceneBuilder〜ボタンにメソッドを割り当てるワンポイント〜
  4. Java プロコンゲーム 〜見た目の作成(SceneBuilderの使用)〜

ステップアップ関連ページ一覧

  1. Java 初めてでも大丈夫〜ステップアッププログラミングのススメ〜
  2. ステップアッププログラミング〜Java FxでHelloWorld解説〜
  3. Java StepUpPrograming〜JavaFX で四則計算〜
  4. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替えを作る1〜
  5. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え2ボタン作成〜
  6. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え3アクション〜
  7. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え4Pane切り替え〜
  8. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え5WebEngine

JavaFX + ND4Jで機械学習準備

  1. JavaFX + ND4J〜数学への挑戦1:ND4Jのインストール〜
  2. JavaFX + ND4J〜数学への挑戦2: 行列の計算〜
  3. Java + ND4J 〜数学への挑戦3: ベクトル(配列)の作成方法〜

オブジェクト指向関連ページ

  1. オブジェクト指向の概念1〜OracleDocのチュートリアル1〜
  2. オブジェクト指向の概念2〜クラスとは〜

Java Basic API ~Java Stringクラスを理解するwith JUnit~

イントロダクション

Javaでプログラミングを初めて慣れたころにJavaAPIに触れることが多くなると思います。

よくある「プログラミング練習問題」などで、文字列操作を行うことがあると思います。

この様な時に使用するのがStringクラス手に定義してあるメソッド群だと思います。しかし、説明書きしているJavaDocが難しく理解するのが難しいことが多いと思います。

この解決方法として、動かしてみるというのが手っ取り早い方法の一つだと思いますので、手っ取り早い方法を記載いたします。

JavaSEで提供しているクラスを理解

簡単にプログラムを動かす方法として、IDE(Eclipseを使用します)で動かしてみるのが手っ取り早い方法ですが、如何せんメインメソッドを使用していると毎回コードを書き直さなくてはいけないので面倒です。

なので、以下の方法を提案したく思います。

JUnitを使う

JUnitはテストツールとして使用することが多いもの(フレームワーク)です。これを使用すれば下のように簡単に、いくらでもコードを動かせます。

下のは、String#equalsメソッドをテストしたものですが、「@Test」をつけたメソッドはすべて実行されるので、どんどん作成して実行すればよいのです。
<例>

public class StringTest {

    /** String#equalsのテスト */
    @Test
    public void test01() {
        String st = "aaa";
        String s1 = "aaa";
        String s2 = "bbb";
        String s3 = "ccc";

        if (st.equals(s1)) {
            System.out.println("st == s1");
        } else {
            System.out.println("st != s1");
        }

        if (st.equals(s2)) {
            System.out.println("st != s2");
        } else {
            System.out.println("st == s2");
        }

        if (s3.equals(s1)) {
            System.out.println("s3 == s1");
        } else {
            System.out.println("s3 != s1");
        }
    }
}

実行結果

テストを増やす

StringクラスのJavaDocを見るとよく使うメソッドがあるので、それを紹介するついでに上のテストケースで実行します。
実際の作業を動画にしました。参考にどうぞ。

そして、実行するときにJUnitの設定をする必要があります。

Eclipseを使用しているならば、下のような手順ですぐに使用できます。

JUnitの設定

  1. Eclipeのプロジェクトを右クリック
  2. プロパティを選択
  3. ライブラリの追加をクリック
  4. JUnitを選択し次へ
  5. 次の画面では、完了をクリック

下のように、ライブラリが追加されているはずです。

String#substring

JavaDocでStringクラスを見るとStringクラスの中に定義されているメソッド群があります。説明がちょっと難しく理解に苦しむことがありますが、これを動かしてみれば、ドキュメントの内容がわからなくても問題ありません。逆に、ドキュメントの内容が理解できたりします。

具体的には、上の動画でも実行していますが、下のように実行します。

  1. JavaDocで試したいメソッドを見つける
  2. 対象のメソッドのテストケースを作成する
  3. テストを実行して挙動を確認する

作成したコード(テストケース)は下のような形です。

public class StringTest {

    /** String#equalsのテスト */
    @Test
    public void test01() {
        String st = "aaa";
        String s1 = "aaa";
        String s2 = "bbb";
        String s3 = "ccc";

        if (st.equals(s1)) {
            System.out.println("st == s1");
        } else {
            System.out.println("st != s1");
        }

        if (st.equals(s2)) {
            System.out.println("st != s2");
        } else {
            System.out.println("st == s2");
        }

        if (s3.equals(s1)) {
            System.out.println("s3 == s1");
        } else {
            System.out.println("s3 != s1");
        }
    }

    /**
     * JavaDocをみて、入力(引数)と出力(返却値)を確認後、実装して動かしてみる。
     * {@link String#substring(int)}のテストケース
     */
    @Test
    public void testSubstring() {
        String target = "abcdefg";
        // 2番目の文字を取得する
        String res = target.substring(1, 2);
        System.out.println("2番目の文字: ");
        // 取得結果が正しいか確認
        assertEquals("b", res);
        // 一番初めの文字を取得
        String res1 = target.substring(0, 1);
        assertEquals("a", res1);
        // 一番最後の文字
        String res2 = target.substring(target.length() -1, target.length());
        assertEquals("g", res2);
        // 初めから4文字分を切り出す
        String res3 = target.substring(0, 4);
        assertEquals("abcd", res3);
    }
}

equalsは調べなくてもわかると思いますが、substringはどうでしょうか?
ドキュメントには、下のような説明があります。

この文字列の部分文字列である文字列を返します。部分文字列は、指定されたbeginIndexから始まり、インデックスendIndex - 1にある文字までです。したがって、部分文字列の長さはendIndex-beginIndexになります。

とりあえずは、第一引数に開始、第二引数に終了のインデックス(数値)を設定します。

String res3 = target.substring(0, 4);

実行した結果がどのように取得できるか?これを確かめます。

assertEquals("abcd", res3);

実行後に、いまいちわからない場合は、値を変えてみます。上記の「0, 4」は初めから4文字を取得する場合ですが、2文字目から4文字目までを取得する場合はどうでしょうか?下のように「2, 4」と設定すれば想定通りに動くでしょうか?

String res3 = target.substring(0, 4);

それはテストしてみれば一発です。

assertEquals("取得するであろう値", 結果を格納した変数);

この様な形で、実装すればJavaAPIの理解を深めることができます。

色々なクラスを理解し、技術の幅を広げるのに役に立つと思います。

ちなみに、YoutubeにアップしたJUnit関連の動画はこちらのURLで一覧になっています。再生リストというやつです。

でわでわ。。。

関連ページ一覧

Eclipse セットアップ(Mac版)

  1. Java Install Eclipse〜開発ツールのインストール〜
  2. TensorFlow C++環境〜EclipseCDTをインストール〜
  3. Setup OpenGL with JavaJOGLを使う準備 for Eclipse
  4. Eclipse Meven 開発手順〜プロジェクトの作成〜
  5. Java OpenCV 環境セットアップ(on Mac)
  6. Eclipse SceneBuilderを追加する
  7. JavaFX SceneBuilder EclipseSceneBuilder連携~

Java Basic一覧

  1. Java Basic Level 1 〜Hello Java〜
  2. Java Basic Level2 〜Arithmetic Calculate〜
  3. Java Basic Level3 〜About String class〜
  4. Java Basic Level 4〜Boolean〜
  5. Java Basic Level 5〜If Statement〜
  6. Java Basic Summary from Level1 to 5
  7. Java Basic Level 6 〜Traning of If statement〜
  8. Java Basic Level8 〜How to use for statement〜
  9. Java Basic Level 8.5 〜Array〜
  10. Java Basic Level 9〜Training of for statement〜
  11. Java Basic Level 10 〜While statement 〜
  12. Java Basic Swing〜オブジェクト指向〜
  13. Java Basic Swing Level 2〜オブジェクト指向2〜
  14. サンプル実装〜コンソールゲーム〜
  15. Java Basic インターフェース・抽象クラスの作り方
  16. Java Basic クラスとは〜Step2_1〜
  17. Java Basic JUnit 〜テストスイートの作り方〜

Git関連

  1. Java Git clone in Eclipse 〜サンプルの取得〜
  2. Eclipse Gitリポジトリの取得 GitからソースをPullしよう〜
  3. IntelliJ IDEA GitGitリポジトリからクローン〜

JavaFX関連ページ

  1. Eclipse SceneBuilderを追加する
  2. JavaFX SceneBuilder 〜EclipseとSceneBuilder連携~
  3. JavaFX SceneBuilder〜ボタンにメソッドを割り当てるワンポイント〜
  4. Java プロコンゲーム 〜見た目の作成(SceneBuilderの使用)〜

ステップアップ関連ページ一覧

  1. Java 初めてでも大丈夫〜ステップアッププログラミングのススメ〜
  2. ステップアッププログラミング〜Java FxでHelloWorld解説〜
  3. Java StepUpPrograming〜JavaFX で四則計算〜
  4. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替えを作る1〜

Java Basic Class Inheritance ~クラスの継承関係を作る2:抽象クラス~

イントロダクション

前回作成したクラスを使用して実装してきます。ちなみに前回は、クラスの親子関係を作成したラドのように動くのか?に関して記載しまた。

前回の学習概要

次のようなことを学習しました。

親クラスと子クラスを実行イメージ

JFrameを継承してpaint()をオーバーライド

抽象クラスのサンプル

Calenderクラスは抽象クラスです。このクラスをインスタンス化するときは「Calender.getInstance()」を使用します。
このような呼び出し方を「stataic」呼び出しと呼んでいますが、一般的かどうかは怪しいです。。。
つまりstaticメソッドでインスタンスを取得するメソッドを使用して抽象クラスのインスタンスを取得する例としてCalendarクラスを紹介しました。

作成したクラス

作成したクラスは以下のものです。

  • Parent: 親クラス
  • ChildAni: 子クラス
  • ChildOtoto: 子クラス
  • MainFamilly: メインメソッドを持っているクラス

実行するクラスは「MainFamilly」クラスのメインメソッドです。

とりあえずは実行すると下のようなイメージで動きます。

そして、抽象クラスを追加しました。クラス名は「Gosenzo(ご先祖)」です、

感の良い方は気がついているかもしれませんが、以下のような系譜ができています。

  1. ご先祖
  2. あに、弟

ただし、抽象クラスのメソッド「血継限界」に関しては実行していません。単純に実装するのを忘れていました。
ソースに関してはこちらにあるので、ご自由に動かして見てください。※カスタムして遊んでもよし。

継承関係で遊ぶ

勝手に設定を作ってみます。

ご先祖から因縁を持っている魔物、スライム討伐が稼業になっている家族の物語、細かい話はスッ飛ばして宿敵スライムと対峙する家族であった。。。

というわけで、スライムとの戦いを始めたいと思います。

クラスの継承関係でRPG

つまりは、クラスの継承関係を作ることで、例えばですが、勇者、戦士、魔法使いなどのキャラクターを表現することができます。
例えば、PlayerクラスにHPなどの最低限必要なフィールド(プロパティ)を持たせておき、各職業で細かいプロパティを変更する。。。とか。
サンプルで作成したテキストRPGの戦闘シーンのみです

継承関係を理解するといろいろと遊びの幅が広がります。

抽象クラス「ご先祖様」

現在作成済みのクラスは上記のとおり4クラスあります。
そして、ご先祖クラスには、フィールドが「秘伝のタレ」しかありません。

なので、RPGっぽく作成するため以下のプロパティ(フィールド)を追加します。本当は「プレーヤー」クラスの方が良いのですが。。。

いや、プレーヤークラスを作成しましょう。
※GetterとSetterは省略しています。GetterSetterの作成方法は下の動画を参照ください。

ご先祖クラスにプレーヤークラスを継承する

Playerクラスは、RPGゲームをするときに使用するプロパティ(フィールド変数)を持っているクラスです。

  • HP
  • MP
  • Level
  • name

などなど。。。

public class Player {
    /** 名前 */
    private String name;
    /** レベル */
    private int level;
    /** 生命力 */
    private int HP;
    /** 特殊能力(技能)の使用時に消費 */
    private int MP;
    /** 攻撃力 */
    private int attack;
    /** 防御力 */
    private int diffence;
    /** 戦闘可能フラグ */
    private boolean canBattle;

    /**
     * コンストラクタ。
     * @param name
     */
    public Player() {
        this.name = "桃太郎";
        // レベル1の設定
        setLevel(1);
        setHP(20);
        setMP(10);
    }

    /**
     * コンストラクタ。
     * @param name
     */
    public Player(String name) {
        this.name = name;
        // レベル1の設定
        setLevel(1);
        setHP(20);
        setMP(10);
    }
}

このクラスをご先祖クラスの親にします。

public abstract Gosenzo extends Player { ... }

そうすると、MainFamillyのメインメソッドで、HPなどの設定ができるようになります。
<MainFamilly>

public class MainFamilly {
    public static void main(String[] args) {
        // 標準入力の受付
        Scanner scan = new Scanner(System.in);
        System.out.println("**** Game Start ****");
        // 親クラスのインスタンス
        Parent parent = new Parent();
        // HP
        parent.setHP(50);
        //戦闘可能フラグ
        parent.setCanBattle(true);
        //攻撃力
        parent.setAttack(20);
        //防御力
        parent.setDiffence(15);

        // 子クラス(あに)のインスタンス
        ChildAni ani = new ChildAni();
        // HP
        parent.setHP(40);
        //戦闘可能フラグ
        parent.setCanBattle(true);
        //攻撃力
        parent.setAttack(20);
        //防御力
        parent.setDiffence(15);
        // 子クラス(弟)のインスタンス
        ChildOtoto ototo = new ChildOtoto();
        // HP
        parent.setHP(30);
        //戦闘可能フラグ
        parent.setCanBattle(true);
        //攻撃力
        parent.setAttack(20);
        //防御力
        parent.setDiffence(15);
        while (true) {
            String input = scan.nextLine();
            if ("parent".equals(input)) {
                parent.say();
            } else if ("ani".equals(input)) {
                ani.say();
            } else if ("ototo".equals(input)) {
                ototo.say();
            } else {
                System.out.println("処理を終了します。");
                break;
            }
        }
    }
}

モンスターを作成する

モンスターといえど、HPなどはあるので、プレーヤークラスの子クラスとして作成することにします。
そして、「話をするかどうか?」のフラグを追加することにしました。
<モンスタークラス>

public class Monster extends Player {
    /** 話をするかどうか */
    private boolean isTalk;

    /**
     * @return the isTalk
     */
    public boolean isTalk() {
        return isTalk;
    }

    /**
     * @param isTalk the isTalk to set
     */
    public void setTalk(boolean isTalk) {
        this.isTalk = isTalk;
    }
}

そして、具体的なモンスタークラスを作成します。
つまり、スライムクラスを作成します。

<スライムクラス>

public class Slime extends Monster{
    public Slime() {
        this.setCanBattle(true);
        this.setHP(10);
        this.setMP(5);
        // 攻撃力
        this.setAttack(5);
        // 防御力
        this.setDiffence(5);
    }
}

ここまで作成したら、次は戦闘シーンを作成したくなると思います。

頑張って見てください。

自分が作成したものは次回、記事に記載いたします。

<<< 前回

関連ページ一覧

Eclipse セットアップ(Mac版)

  1. Java Install Eclipse〜開発ツールのインストール〜
  2. TensorFlow C++環境〜EclipseCDTをインストール〜
  3. Setup OpenGL with JavaJOGLを使う準備 for Eclipse
  4. Eclipse Meven 開発手順〜プロジェクトの作成〜
  5. Java OpenCV 環境セットアップ(on Mac)
  6. Eclipse SceneBuilderを追加する
  7. JavaFX SceneBuilder EclipseSceneBuilder連携~

Java Basic一覧

  1. Java Basic Level 1 〜Hello Java〜
  2. Java Basic Level2 〜Arithmetic Calculate〜
  3. Java Basic Level3 〜About String class〜
  4. Java Basic Level 4〜Boolean〜
  5. Java Basic Level 5〜If Statement〜
  6. Java Basic Summary from Level1 to 5
  7. Java Basic Level 6 〜Traning of If statement〜
  8. Java Basic Level8 〜How to use for statement〜
  9. Java Basic Level 8.5 〜Array〜
  10. Java Basic Level 9〜Training of for statement〜
  11. Java Basic Level 10 〜While statement 〜
  12. Java Basic Swing〜オブジェクト指向〜
  13. Java Basic Swing Level 2〜オブジェクト指向2〜
  14. サンプル実装〜コンソールゲーム〜
  15. Java Basic インターフェース・抽象クラスの作り方
  16. Java Basic クラスとは〜Step2_1〜
  17. Java Basic JUnit 〜テストスイートの作り方〜

Git関連

  1. Java Git clone in Eclipse 〜サンプルの取得〜
  2. Eclipse Gitリポジトリの取得 GitからソースをPullしよう〜
  3. IntelliJ IDEA GitGitリポジトリからクローン〜

JavaFX関連ページ

  1. Eclipse SceneBuilderを追加する
  2. JavaFX SceneBuilder 〜EclipseとSceneBuilder連携~
  3. JavaFX SceneBuilder〜ボタンにメソッドを割り当てるワンポイント〜
  4. Java プロコンゲーム 〜見た目の作成(SceneBuilderの使用)〜

ステップアップ関連ページ一覧

  1. Java 初めてでも大丈夫〜ステップアッププログラミングのススメ〜
  2. ステップアッププログラミング〜Java FxでHelloWorld解説〜
  3. Java StepUpPrograming〜JavaFX で四則計算〜
  4. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替えを作る1〜

Java Basic Class Inheritance ~クラスの継承関係を作る1:親と兄と弟の作成~

継承したクラスを動かす

クラスの継承関係を作成して、それを実行してクラス継承の意味と使い方を理解していきます。
その第一回目となります。
前回の記事ではアクセス修飾子の継承関係を作ったときにどのような違いがあるのか記載しています。

親クラスと子クラスを実行イメージ

JFrameクラスを継承して画面作成

Java Swingで、幅300, 高さ300の画面に座標(100,100)から幅100、高さ100の円を0度から300度までの線を引きました。JFrameを継承、paint()をオーバーライドします

前提

以下のクラスを作成します。親、子(兄)、子(弟)、メインクラス

  1. Parent(親)
  2. ChildAni(兄)
  3. ChildOtoto(弟)
  4. MainFamilly(メインクラス)

それぞれ以下のようなコードです。
そして、MainFamilyクラスはメインメソッドを持っているクラスです。このクラスを用意することでほかのクラスを修正してもメインメソッドを修正せずに起動できるというわけです。

具体的には以下のような手順で起動確認しながら実装ができるというわけです。

  1. MainFamilly以外のクラスを修正する
  2. MainFamillyクラスのメインメソッドを起動する

Parent

下に定義している子クラスが継承するクラスです。このクラスは、フィールド変数に「public static」のものと「protected」のものがあります。このフィールド変数は、子クラスから参照することができます。が「private」になっている変数は参照できません。

public class Parent {
    /** 家計 */
    public static int kakei = 1000;
    /** 苗字 */
    protected String lastName;
    /** 名前 */
    private String name;
    /** 年齢 */
    private int age;
    /** 趣味・特技 */
    public String favorit;

    /** コンストラクタ */
    public Parent() {
        lastName = "tanaka";
        name = "takao";
        age = 50;
        favorit = "ケツで箸を割る";
    }

    /** 自己紹介 */
    public void say() {
        System.out.println(lastName + "と申します。");
        System.out.println("親です。名前は" + name + "です。年齢は" + age + "です。");
        System.out.println("特技は、「" + favorit + "」です。");
    }

    /** おかしな部分 */
    protected void funny() {
        System.out.println("喜びを真逆の言葉で表現する。");
    }

    /** 買い物 */
    public void buy(int money) {
        kakei -= money;
        System.out.println("残金:" + kakei);
    }
}

ChildAni

子クラス1です。Parentクラスを継承しています。Parentクラスの「Say()」メソッドをオーバーライドしています。

public class ChildAni extends Parent {
    /** 年齢 */
    private int age;
    /** 名前 */
    private String name;

    public ChildAni() {
        name = "taro";
        age = 12;
    }

    @Override
    public void say() {
        System.out.println(lastName + "です。");
        System.out.println("兄です。名前は" + name + "です。年齢は" + age + "です。");
        System.out.println("特技は、「" + favorit + "」です。");
    }
}

ChildOtoto

子クラス2です。Parentクラスを継承しています。Parentクラスの「Say()」メソッドをオーバーライドしています。

public class ChildOtoto extends Parent {
    /** 年齢 */
    private int age;
    /** 名前 */
    private String name;

    public ChildOtoto() {
        name = "jiro";
        age = 10;
        favorit = "鼻を膨らます";
    }

    @Override
    public void say() {
        System.out.println(lastName + "といいます。");
        System.out.println("弟です。名前は" + name + "です。年齢は" + age + "です。");
        System.out.println("特技は、「" + favorit + "」です。");
    }

    @Override
    public void funny() {
        super.funny();
    }
}

MainFamilly

public class MainFamilly {
    public static void main(String[] args) {
        Scanner scan = new Scanner(System.in);
        System.out.println("**** Game Start ****");
        Parent parent = new Parent();
        ChildAni ani = new ChildAni();
        ChildOtoto ototo = new ChildOtoto();
        while (true) {
            String input = scan.nextLine();
            if ("parent".equals(input)) {
                parent.say();
            } else if ("ani".equals(input)) {
                ani.say();
            } else if ("ototo".equals(input)) {
                ototo.say();
            } else {
                System.out.println("処理を終了します。");
                break;
            }
        }
    }
}

実践してみましょう

まずは、MainFamillyクラスを起動してみましょう。
実行結果はどのようなものでしょうか?

ParentクラスChildAniクラスの違いは以下の部分です。

Parentのコンストラクタ

/** コンストラクタ */
public Parent() {
    lastName = "tanaka";
    name = "takao";
    age = 50;
    favorit = "ケツで箸を割る";
}

Parent#say()

/** 自己紹介 */
public void say() {
    System.out.println(lastName + "と申します。");
    System.out.println("親です。名前は" + name + "です。年齢は" + age + "です。");
    System.out.println("特技は、「" + favorit + "」です。");
}

ChildAniのコンストラクタ

public ChildOtoto() {
    name = "jiro";
    age = 10;
    favorit = "鼻を膨らます";
}

ChildAni#say()

@Override
public void say() {
    System.out.println(lastName + "です。");
    System.out.println("兄です。名前は" + name + "です。年齢は" + age + "です。");
    System.out.println("特技は、「" + favorit + "」です。");
}

ポイント

使用しているフィールド変数は全く同じものでしょうか?確認してみてください。アクセス修飾子をみて判断しましょう。
アクセス修飾子は下のような意味があります。

アクセス修飾子

public: どこからでも参照できる
protected: パッケージ内、クラスの継承関係がある場合に参照できる
private: クラスの中でのみ参照できる

まとめ1

アクセス修飾子によって、継承関係を作成したクラスの間で、参照する変数が変わります。
この特性を使用して、変数名が同じでも参照する変数が変えることができます。
「だからなに?」と聞かれそうですが、ここでの言いたいことはクラス固有の変数を持つことができるというところです。

ご先祖を作る

上記の記述では、Parent, ChildAni, ChildOtotoの3クラスを作成しました。ここまでで、クラスの継承に関しては理解できたと思います。注意点としてはアクセス修飾子です。この違いが理解できればオッケーです。

そして次の話に行きます。「ご先祖を作成する」というふうにきさいしましたが、抽象クラスを作成する方向で話を進めます。

抽象クラスとは

こちらの記事に記載されていたのは下のような文言です。

抽象クラスの代表的なクラスがあります。それは「Calendarクラス」です。このクラスは、抽象クラスなので「new」できません。
なので、「Calendar.getInstance();」のようにインスタンス取得メソッドを使用します。
このメソッドを使用してインスタンスを取得する方法は、「new」するときに固定の方法をプログラマーに強制させることができます。
つまり、ほかの方法で「new」できないということです。

抽象クラスとは、抽象メソッドを 1 つ以上持つクラスです。そのクラスだけでは意味を持たず、サブクラスに継承されることで初めて機能します。

抽象メソッドとは、以下のように記述されるメソッドです。abstract の後に、戻り値の型、メソッド名、引数の型、引数の数のみを定義し、処理内容は実装されません。具体的な処理内容は、抽象クラスを継承するサブクラスで実装されます。

早い話が、下のように通常のクラスに「抽象メソッドを持っている」というところです。

アクセス修飾子 abtract 戻り値の型 メソッド名(引数); 

サンプルコード(ご先祖)

public abstract class Gosenzo {
    /** 秘伝 */
    public String hiden;

    public Gosenzo() {
        hiden = "秘伝のタレ";
    }

    /** 血継限界 */
    protected abstract String kekkeiGenkai();
}

このご先祖クラスを親クラスに継承します。
そうすると、ビルドエラーが出ます。

このビルドエラーは、「抽象メソッドのオーバーライド」を行ていないために出たエラーです。

つまり、抽象メソッドを実装することを強制できるというわけです。逆に言うとGosenzoクラスを継承したクラスは、必ずkekkeiGenkai()メソッドがあるということです。

当然、抽象クラスにはメソッドの中身(処理)を書いていないので、Gosenzoクラスを継承したクラスは、必ずkekkeiGenkai()を持っていることになります。

具体的に、ご先祖を継承したParentクラスの血継限界が「"Hello Japan!"」を標準出力へ出力するものでParent2クラスの血継限界が「"Good Night"」を標準出力へ出力するものだったとします。

そうしたときに、下のようなコードを使用するとGosenzoクラスの中小メソッドを使用することで、kekkeiGenkai()の処理内容を別のものにすることができます。

public static void main(String[] args) {
    Gosenzo g1 = new Parent();
    Gosenzo g2 = new Parent2();
    g1.kekkeiGenkai();
    g2.kekkeiGenkai();
}

これが、抽象クラスの扱い方の一つです。

しかし、、実際にはこのようなクラス関係を作成することはありません。わかりやすいように作っているだけです。具体的には「デザインパターン」を使用したり、自分で考えたクラス関係を特定の目的のために作ります。

次回予告

次回は、作成した上記のクラスを修正していろいろと動かしてみます。

でわでわ。。。

<<< 前回 次回 >>>

関連ページ一覧

  1. Java Install Eclipse〜開発ツールのインストール〜
  2. TensorFlow C++環境〜EclipseCDTをインストール〜
  3. Setup OpenGL with JavaJOGLを使う準備 for Eclipse
  4. Eclipse Meven 開発手順〜プロジェクトの作成〜
  5. Java OpenCV 環境セットアップ(on Mac)
  6. Eclipse SceneBuilderを追加する
  7. JavaFX SceneBuilder EclipseSceneBuilder連携~

Java Basic一覧

  1. Java Basic Level 1 〜Hello Java〜
  2. Java Basic Level2 〜Arithmetic Calculate〜
  3. Java Basic Level3 〜About String class〜
  4. Java Basic Level 4〜Boolean〜
  5. Java Basic Level 5〜If Statement〜
  6. Java Basic Summary from Level1 to 5
  7. Java Basic Level 6 〜Traning of If statement〜
  8. Java Basic Level8 〜How to use for statement〜
  9. Java Basic Level 8.5 〜Array〜
  10. Java Basic Level 9〜Training of for statement〜
  11. Java Basic Level 10 〜While statement 〜
  12. Java Basic Swing〜オブジェクト指向〜
  13. Java Basic Swing Level 2〜オブジェクト指向2〜
  14. サンプル実装〜コンソールゲーム〜
  15. Java Basic インターフェース・抽象クラスの作り方
  16. Java Basic クラスとは〜Step2_1〜
  17. Java Basic JUnit 〜テストスイートの作り方〜

Git関連

  1. Java Git clone in Eclipse 〜サンプルの取得〜
  2. Eclipse Gitリポジトリの取得 GitからソースをPullしよう〜
  3. IntelliJ IDEA GitGitリポジトリからクローン〜

JavaFX関連ページ

  1. Eclipse SceneBuilderを追加する
  2. JavaFX SceneBuilder 〜EclipseとSceneBuilder連携~
  3. JavaFX SceneBuilder〜ボタンにメソッドを割り当てるワンポイント〜
  4. Java プロコンゲーム 〜見た目の作成(SceneBuilderの使用)〜

ステップアップ関連ページ一覧

  1. Java 初めてでも大丈夫〜ステップアッププログラミングのススメ〜
  2. ステップアッププログラミング〜Java FxでHelloWorld解説〜
  3. Java StepUpPrograming〜JavaFX で四則計算〜
  4. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替えを作る1〜
  5. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え2ボタン作成〜
  6. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え3アクション〜
  7. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え4Pane切り替え〜
  8. Java StepUpPrograming〜JavaFXで画面切り替え5WebEngine

JavaFX + ND4Jで機械学習準備

  1. JavaFX + ND4J〜数学への挑戦1:ND4Jのインストール〜
  2. JavaFX + ND4J〜数学への挑戦2: 行列の計算〜
  3. Java + ND4J 〜数学への挑戦3: ベクトル(配列)の作成方法〜

オブジェクト指向関連ページ

  1. [オブジェクト指向の概念1〜OracleDocのチュートリアル1〜](https://zenryokuservice.com/wp/2019/10/301. /%e3%82%aa%e3%83%96%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%82%af%e3%83%88%e6%8c%87%e5%90%91%e3%81%ae%e6%a6%82%e5%bf%b5-%e3%80%9coracledoc%e3%81%ae%e3%83%81%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%83%ab%ef%bc%91/)
  2. オブジェクト指向の概念2〜クラスとは〜