クラス間の継承を作る〜準備編:アクセス修飾子を理解する〜

イントロダクション

「基本文法がわかったから、簡単なプログラムなら組めるようになった。」は、「戦いの舞台に立った」状態です。
ここからが、戦いの始まりです。上の「基本文法がわかった」は処理を行う「メソッドが作れるようになった」ということです。これができないと始まらな。。。

今度は、この「メソッド」を自在に呼び出してメンテナンスのしやすいシステムを組みましょうというのが目標になります。

まとめると次のような形です。

  • 基本文法の理解:メソッドを作れるようになった。
  • クラスの扱い方の理解:メンテナンスのしやすいシステムを組める

ある意味「永遠のテーマ」ですが「メンテナンスのしやすいシステム」を組めるように良い設計=良いプログラムを組めるようになる。
これが、目標になります。

クラスの継承

クラス継承の方法は、簡単です。下のようにコードを書けば良いです。

public class Child1 extends Parent { ... } 

継承関係を作ると、子クラスが親クラスの実装を受け継ぎ拡張することができます。

クラスの継承関係を作るときはクラス毎に役割を分担し、実装の依存関係を分断できるように作ります。詳細は下のリンクを参照下さい

Java クラスの扱い〜役割分担をする〜

クラスの書き方などは下のリンクを参照下さい。
Java Basic Class 〜クラスを作ってクラスを理解する〜
Java Basic Class 〜クラスを使うサンプル〜

プログラムコードにすると下のような形です。

/** 親クラス */
public class Parent {
    private int age;
    private String name;

    /** コンストラクタ */
    public Parent(String name) {
        this.age = 24;
        this.name = name;
    }
    public void greet() {
        System.out.println("Hello World");
    }
    public void call() {
        System.out.println("Help!");
    }
}

/** 子クラス */
public class Child extends Parent {
    /** コンストラクタ */
    public Child() {
        super("Takunoji");
    }
    @Override
    public void greet() {
        System.out.println("Hello Brother");
    }
}

親クラス(Parent)を継承して子クラス(Child)を作成しています。
【ポイント1】
「new」したときに起動するコンストラクタは子クラスで「suepr()」を使用して親クラスのコンストラクタを呼び出しています。

【ポイント2】
子クラスのメソッド「greet()」は親クラスのメソッドをオーバーライドしています。

<オーバーライドのサンプル>
この動画では、JFrameクラスを継承してクラスを作成しています。親クラスのメソッド「paint()」メソッドをオーバーライドしています。

つまり、オーバーライドすると子クラスのメソッドが呼び出されるということです。
※親クラスのオブジェクト(インスタンス)で呼び出した場合は親クラスのメソッドが呼ばれます。

public static void main(String[] args) {
    Parent parent = new Parent("Taro");
    parent.greet();// Parentクラスのメソッド
    parent.call();// Parentクラスのメソッド

    Child child = new Child();
    child.parent(); // Childクラスのメソッド(オーバーライドしている)
    parent.call();// Parentクラスのメソッド
}

継承したときのテクニック

継承関係を作ることのメリットとしては、同じコードを書かなくてよいところです。
上の例では、変数のアクセス修飾子を「private」にしているので子クラスから参照することができませんが
これを「protected」に変更してやれば、子クラスでもフィールド変数「age, name」を参照することができます。

また、メソッドでオーバーライドしているもの(greet())とそうでないものがあります(call())がそれぞれ子クラスのインスタンスから呼び出すことができますが、オーバーライドしているメソッドは親クラスのメソッドを呼び出すことができません。それは、オーバーライドしているからです。
もし、呼び出したいのであれば、子クラスの中で「super.call()」と書く必要があります。

ここからが本題です。

アクセス修飾子

継承関係を作成したあとには、フィールド変数や、メソッドを定義します。

これらは「メンバ」と呼ばれインスタンスを生成して使用する事が多いです。インスタンスを生成しない場合はstatic修飾子をつけて使用します。

前置きはさておきにして具体的な使い方などに触れていきます。

変数のスコープprivate

まずは、下の様にクラスの継承関係を作ります。

親クラス

public class Parent {
    protected static int kakei = 1000;
    protected Stirng lastName;
    private String name;
    private int age;
       /** コンストラクタ */
       public Parent() {
          lastName = "test";
          name = "taro";
          age = 50;
       }
    public void say() {
       System.out.println("My name is " + name + " " + lastName + " and " + age + "years old.");
    }
}

子クラス

public class Child1 {
    private String name;
    private String age;
    public Child1 {
       name = "polo";
       age = 15;
    }
    @Overeide
    public void say() {
      System.out.println("My name is " + name + " " + lastName + " and " + age + "years old.");
    }
}

メインメソッド

public static void main(String[] args) {
    Parent p = new Parent();
    p.say();
    Child1 c1 = new Child1();
    c1.say));
}

そして、上の様な処理を実装したら
どんな出力が得られるでしょうか?
注意点としては、アクセス修飾子により、アクセスするフィールド変数が異なるところです。実行して確かめてみてください。

変数のスコープprotected

次は、protectedについて見てみます。
ParentクラスのlastNameに着目してください。2つのクラスの出力は、「test」になったと思います。これは継承関係があるクラス間で共有出来る、スコープが継承関係のあるクラス間で使用出来る様になっているからです。※パッケージ内でも使える様です。
これらのクラスのコードをいじっていろんな出力を確認してみてください。
きっと、クラスの継承とはどんなものか?の答えが見えて来ると思います。
実際に作る時は、UML など使うとわかりやすいと思います。
例えば、RPGゲームを作ろうとした場合には、以下のような登場人物がいます。

  • ゲームプレイする「プレーヤー・キャラクター」
  • モンスターなどのコンピュータが操作する「ノンプレイヤー・キャラクター」

それぞれの登場人物を「クラス」で表現してみると継承関係を作るメリットがより明確に分かると思います。
Java テキストRPG(戦闘シーンのみ)を再作成する~LWJGLを参考に作り直す~
Java テキストRPG(戦闘シーンのみ)を再作成する2~設計からやり直す~


でわでわ。。。

次回 >>>

関連ページ一覧

Java Basic1 〜文字列操作(Stringクラス)の扱い

文字列の操作

1.1 文字列処理とは

ズバリ、文字列を切り貼りします

例:1.1 「文字列を切り取る」
「こんにちは世界」という文字列の"ちは"を切り取ると「こんに世界」になります。
コードで書くと下のようなコードになります。Javaのプログラムで実行する時には下のようなコードで実行します。あくまでもサンプルなのでやり方は自分で考えて作れるようにしたいですね。

処理の内容などは、これから学んでいきます。

/**
 * 文字列の操作。
 *
 */
public class StringControl {

    /**
     * 動かしたいメソッドを呼び出してやれば動かせます。
     * 例として「1.1文字列処理とは」のサンプルコードを呼び出しています。
     *
     * @param args
     */
    public static void main(String[] args) {
        StringControl main = new StringControl();
        main.substringTest();
    }

    /**
     * 「1.1.1文字列処理とは」のサンプルコード。
     * 文字列を切り取る処理のサンプル<br/>
     * <br/>
     * <b>「こんにちは世界」という文字列の"ちは"を切り取る</b>
     */
    public void substringTest() {
        // 変数の初期化
        String moji = "こんにちは世界";
        // *******************************************************//
        // * やり方1:Stringクラスのメソッド「substring()」を呼び出す *
        // *******************************************************//
        String rightStr = moji.substring(0, 3);
        String leftStr  = moji.substring(5, 7);
        System.out.println("切り取った結果1は「" + rightStr + leftStr + "」です。");

        // *******************************************************//
        // * やり方2:char型の配列を取り出してやる                   *
        // *******************************************************//
        char[] charMoji = moji.toCharArray();
        // 切り取った結果を格納する
        char[] resArray = new char[charMoji.length];
        int resCount = 0;
        for (int i = 0; i < charMoji.length; i++) {
            if (i != 3 && i != 4) {
                // 表示する文字を設定(セット)する
                resArray[resCount] = charMoji[i];
                resCount++;
            }
        }
        // char型の配列をStringとして生成
        String resString = new String(resArray);
        System.out.println("切り取った結果2は「" + resString + "」です。");
    }

    /**
     * 「1.2.1とは」のサンプルコード。
     * 文字列を調査するサンプル<br/>
     * <table>
     *     <thead>
     *         <tr><th>操作</th></tr></tr>
     *         <th>メソッド定義(シグニチャ)</th></tr>
     *     </thead>
     *     <tbody>
     *         <tr><td>内容が等しいか調べる</td></tr>
     *         <tr><td>public boolean equals(Object o)</td></tr>
     *     </tbody>
     * </table>
     */
    public void checkString() {

        String moji = "test";

        // String#equals()
        if (moji.equals("test")) {
            System.out.println("mojiは\"test\"です。");
        } else {
            System.out.println("mojiは\"test\"ではありません。");
        }

        // String#equalsIgnoreCase()
        if (moji.equalsIgnoreCase("Test")) {
            System.out.println("mojiは\"Test\" or \"Test\"です。");           
        } else {
            System.out.println("mojiは\"Test\" or \"Test\"ではありません。");          
        }

        // String#isEmpty()
        if (moji.isEmpty()) {
            System.out.println("mojiは\"\"です。");
        } else {
            System.out.println("mojiは\"\"ではありません。");
        }
    }
}

1.2 基本的な文字列操作

操作 メソッド定義(シグニチャ)
内容が等しいか調べる public boolean equals(Object o)
大文字小文字を区別せず内容が等しいか調べる public boolean equalsIgnoreCase(String s)
文字列長を調べる public int length()
空文字か調べる public boolean isEmpty()

Sample1 1-1 文字列調査メソッドを利用した例

※クラス全体ではなく、メソッド部分のみを記述します。

使用するメソッド一覧
String#equals()
String#equalsIgnoreCase()
String#isEmpty()

/**
 * 文字列調査(文字列が等しいか?)のサンプル。
 * 「リスト1-1 文字列調査メソッドを利用した例」
 */
public void sample1_1StringEquals() {
    // 文字列を比較した場合
    System.out.println("*** String#equals() Sample1 ****");
    if ("test".equals("tezt")) {
        System.out.println("\"test\"と\"tezt\"は等しいです。");
    } else if ("test".equals("tezt") == false) {
        System.out.println("\"test\"と\"tezt\"は等しくありません。");
    } else {
        // 実際は例外しか返ってこないので意味のないコード
        // 想定外のケースも考慮に入れる
        System.out.println("trueもfalseも帰ってこなかった場合。");
    }
    System.out.println("*** String#equals() Sample2 ****");
    // 変数に入れた文字列を比較した場合
    String str = "test";
    String str2 = "tezt";
    if (str.equals(str2)) {
        System.out.println("\"test\"と\"tezt\"は等しいです。");
    } else {
        System.out.println("\"test\"と\"tezt\"は等しくありません。");
    }
    System.out.println("*** String#equalsIgnoreCase() Sample1 ****");
    if ("test".equalsIgnoreCase("tezt")) {
        System.out.println("\"test\"と\"tezt\"は等しいです。");
    } else if ("test".equalsIgnoreCase("tezt") == false) {
        System.out.println("\"test\"と\"tezt\"は等しくありません。");
    } else if ("test".equalsIgnoreCase("Test")) {
        System.out.println("\"test\"と\"Test\"は等しいです。");
    } else {
        // 実際は例外しか返ってこないので意味のないコード
        // 想定外のケースも考慮に入れる
        System.out.println("trueもfalseも帰ってこなかった場合。");
    }

    System.out.println("*** String#isEmpty() Sample1 ****");
    if ("".isEmpty()) {
        System.out.println("文字列は空です。");
    }
    String tmp = null;

    System.out.println("*** String#isEmpty() Sample2 ****");
    try {
        if (tmp.isEmpty()) {
            System.out.println("文字列はNULLです。");
        }
    } catch (NullPointerException e) {
        System.out.println("実行するとNullPoineterExceptionで落ちる。");
    }
}

Sample1: 文字列の調査メソッドの解説

  1. "test".equals("tezt")は、"test"と"tezt"を比較している2つの文字列が等しいならifの中に処理が進む
  2. "test".equals("tezt") == falseは2つの文字列を比較した時の返り値がfalseの場合ifの中に処理が進む
  3. str.equals(str2)は変数「str」と「str2」を比較した時の返り値がtrueの場合ifの中に処理が進む
  4. "test".equalsIgnoreCase("tezt") == falseは下の内容の処理を行っているので「大文字小文字の区別無し」で文字列の比較した時の返り値がtrueの場合ifの中に処理が進む ※Stringクラスのソースファイル参照
    public boolean equalsIgnoreCase(String anotherString) {
    return (this == anotherString) ? true
            : (anotherString != null)
            && (anotherString.value.length == value.length)
            && regionMatches(true, 0, anotherString, 0, value.length);
    }
  5. "test".equalsIgnoreCase("Test")は"test"と"Test"を比較した時の返り値がtrueの場合ifの中に処理が進む
  6. "".isEmpty()は""が空文字だった場合ifの中に処理が進む
  7. String tmp = null;<code>は変数</code>tmpにNULLを代入している、この変数を参照するとNullPointerExceptionで落ちる
  8. try { 何かの処理 } catch ( キャッチする例外 ) { 例外時の処理 }で例外が起きた時の処理を行う。

Sample2 1-2 文字列検索メソッドを利用した例

※クラス全体ではなく、メソッド部分のみを記述します。

使用メソッド一覧
String#contains()
String#endsWith()
String#indexOf()

/**
 * 文字列調査(文字列が等しいか?)のサンプル。
 * 「リスト1-2 文字列検索メソッドを利用した例」
 */
public void sample1_2StringSearch() {
    String str = "0123456789ABCABC";
    System.out.println("*** String#contains() Sample1 ****");
    if (str.contains("012")) {
        System.out.println(str + "は「012」を含んでいます。");
    }
    System.out.println("*** String#contains() Sample1 ****");
    if (str.contains("014")) {
        System.out.println(str + "は「014」を含んでいます。");
    } else {
        System.out.println(str + "は「014」を含んでいません。");
    }

    System.out.println("*** String#endsWith() Sample1 ****");
    if (str.endsWith("ABC")) {
        System.out.println(str + "は「ABC」を末尾にあります。");
    }

    System.out.println("*** String#endsWith() Sample1 ****");
    System.out.println(str + "は「ABC」の文字列が" + str.indexOf("ABC") + "番目に出現します。");
    System.out.println(str + "は「ABC」の文字列が最後に出現するのは" + str.lastIndexOf("ABC") + "番目に出現します。");
}

文字列検索メソッドの解説

  1. str.contains("012")で文字列strに"012"が含まれているか検証しています。含まれているならばtrueを返します。そうでない場合はfalseを返す
  2. str.endsWith("ABC")で文字列strの末尾に"ABC"があるか検証しています。末尾にあればtrue, なければfalseを返す。
  3. str.indexOf("ABC")で文字列str内の"ABC"がはじめに出現する位置(int型)を返します。
  4. str.indexOf("ABC")で文字列str内の"ABC"が最後に出現する位置(int型)を返します。

正規表現を使う

上に記載したもの以外にも、よく使うメソッドを紹介します。

String#matchies()です。

このメソッドは、引数に正規表現を渡して、その正規表現にマッチするならtrue, そうでないならfalseを返します。

正規表現は後々に学習します。とりあえずは下の「数字」とaからz、AからZまでの文字にマッチするケースです。

チェック処理なので、静的メソッドにしています。

public static boolean isNumber(String numberStr) {
    // numberStr0から9のうちどれかに該当するか判定します。(1文字だけ)
    if (numberStr.matches("[0-9]")) {
        return true;
    }
    return false;
}

上の処理は、numberStrが数字1文字で、0から9に該当するかどうかの判定を行なっています。

文字数を複数にする場合は後ろに、「{2,5}」のようにつけると「2桁から5桁の間の0から9の数字」というような意味になります。

関連ページ

Java クラスの扱い〜役割分担をする〜

イントロダクション

オブジェクト指向の理解をするのに、以下の様なステップを踏むと理解しやすいであろうというものです。

クラスの役割分担をする

以前作成したJava ミニゲーム ソース 〜じゃんけんゲーム in Console 〜を作るのにクラスの役割分担を考えます。

CommandIF(インタフェース)を使用したポリモーフィズムの実行動画があります。

単純に以下の様な分担を思いつくかもしれません。

  • メインメソッドを持つクラス
  • じゃんけんゲームを起動するクラス
  • じゃんけんの入力やCPUの手を取得などのユーティリティクラス
  • 入力チェッククラス
  • コンソール表示を行うクラス

全部で5クラスを使うアイデアが出ました。人によりアイデアは違うのでどんな分担がベストなものか議論してみるのも楽しいかもしれません。

## ソースを眺めてみる
[上記のリンク先](https://zenryokuservice.com/wp/2020/06/12/java-%e3%83%9f%e3%83%8b%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0-%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b9-%e3%80%9c%e3%81%98%e3%82%83%e3%82%93%e3%81%91%e3%82%93%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0-in-console-%e3%80%9c/)は下のようなクラス構成になっています。
* **Mainクラス**:メインメソッドを持っているクラス
- 「exe」と入力するとFirstCls#execute()が起動する
* **FirstClsクラス**:各処理を実装しているクラス

上記のリンク先で作成したものは、ちょっと面倒な起動の仕方をしています。じゃんけんゲーム他にも何か実装しようとしたためです。

## 役割分担の効果
ここで我々人間がみんなで作業をするときに行う「役割分担」をプログラム上で行うことを考えて見ます。
上のように、「メインメソッドを起動するクラス」と「各処理を実装しているクラス」を作成して、**作業を分担**しました。

## 分担することでできること1
### <インターフェースの追加実装>
これは、単純に分けただけですが、メインメソッドの実装をしたのように変更したとします。 ※FirstClsの実装も変える必要があります。
**ExeInterface**を作成し、FirstClsクラスに実装(implements)します
<作成するインターフェース>
```java
public interface ExeInterface {
// 抽象メソッド(implementsしたクラスに実装を強制する)
public execute(Scanner scan);
}
```

<FirstClsにimeplementsする>
```java
public class FirstCls implements ExeInterface {
// 中身は省略
}
```

```java
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Scanner scan = new Scanner(System.in);
String input = scan.next();

ExeInterface first = new FirstCls();
if ("exe".equals(input)) {
first.execute(scan);
}
boolean isNumber = first.isNumberString(input);
if (isNumber) {
System.out.println(input + "は数字です。");
} else {
System.out.println(input + "は数字ではありません。");
}
}
}
```

このような形にすることで、「FirstClsのじゃんけんゲームではなく、別のゲームを起動したい」と思った時に、FirstClsと同様に「ExeInterfaceを実装」してSecondClsを作成したとします。
メインメソッドも下のように修正します。

```java
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Scanner scan = new Scanner(System.in);
String input = scan.next();

ExeInterface second = new SecondCls();
if ("exe".equals(input)) {
second.execute(scan);
}
boolean isNumber = first.isNumberString(input);
if (isNumber) {
System.out.println(input + "は数字です。");
} else {
System.out.println(input + "は数字ではありません。");
}
}
}
```

このように修正することで、SecondCls#execute()を実行できるようになります。ちなみに修正した部分は2行です。

## さらに、ポリモーフィズムする
インターフェースを作成したことで、簡単に起動するクラスを変更できるようになりました。
しかし、メインメソッドをいちいち修正するのも面倒なので、動的に起動するクラスを追加できるようにしたいと思います。
同じような実装として[「CommandIF」というインターフェースを作成して、使用したときの記事](https://zenryokuservice.com/wp/2020/10/05/java-basic-%e3%80%9c%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%95%e3%82%a7%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%81%ae%e6%89%b1%e3%81%84%e6%96%b9%ef%bc%92%e3%80%9c/)もありますので参考までにどうぞ。

### ここでの問題1
**メインメソッドの中で「new XXXX」というコードを書くと、起動するクラスを動的に変更できない。**

という問題がありますので、この部分を動的に変更できるようにします。テクノロジーとしては「リフレクション」というものを使用します。Javaパッケージとしては「[java.lang.refrect](https://docs.oracle.com/javase/jp/6/api/java/lang/reflect/package-summary.html)」になります。

#### 具体的に。。。
1. 起動するクラスを動的に変更するために入力によって起動するクラスを取得するように修正
2. 入力値をキーにして、取得するクラスの完全修飾名を取得する
3. 完全修飾名より、起動するクラスのインスタンスを生成、取得する

大まかに上記のような手順で実装します。
##### 1. 起動するクラスを動的に変更するために入力によって起動するクラスを取得するように修正
これは単純に入力値によって条件分岐すれば良いです。

##### 2. 入力値をキーにして、取得するクラスの完全修飾名を取得する
キーと値をセットで動的に取得する、ということを考えると「プロパティファイル」を使用すると楽です。
コードとしては、下のように実装すると、プロパティファイルを読み取ることができ、プロパティファイルは追加したいクラスのキーと値をセットにして追記してやれば良いです。

<プロパティファイルの例>
```
first=jp.zenryoku.sample.FirstCls
second=jp.zenryoku.sample.SecondCls
third=jp.zenryoku.sample.ThirdCls
```

<プロパティファイルを読み取る例>
```java
/** コンストラクタ */
public Lv3_1_RefactorLv2() {
commandList = new ArrayList<String>();
prop = new Properties();
// 現在位置の状態を保持するマップ
placeInfo = getInfoMap();
try {
// resources/
prop.load(getClass().getResourceAsStream("/test.properties"));
} catch (IOException e) {
e.printStackTrace();
// エラーコード-1をセットしてプログラム終了
System.exit(-1);
}
}
```

<プロパティファイルのキーから値を取得する例>
```java
/**
* プロパティファイルから値が取得できた、値を返し
* 取得できない時はから文字("")を返す
* @param inStr キー(コマンド)
* @return プロパティファイルの値
*/
public String getPropertes(String inStr) {
String value = prop.getProperty(inStr);
if ("".equals(value)) {
listPropertyKeys();
return "";
}
return value;
}
```

上のようなメソッドを実装して、プロパティファイルのキーから値(クラスの完全修飾名)を取得します。

##### 3. 完全修飾名より、起動するクラスのインスタンスを生成、取得する
このサンプルコードは、インターフェースとして作成した「CommandIF」を使用していますが、他のインターフェースの場合は「CommandIF」を他のインターフェース型に変更してやれば良いです。

#### リフレクションの実装
そして、ポイントになるのは

Class.forName(fullClassName);

の部分です、リフレクションの実装になります。クラスの完全名からクラスオブジェクトを取得、インスタンスの生成。というような処理を行います。
```java
CommandIF cmd = null;
try {
@SuppressWarnings("unchecked")
Class<CommandIF> cmdCls = (Class<CommandIF>) Class.forName(fullClassName);
cmd = cmdCls.newInstance();
} catch (ClassNotFoundException | InstantiationException | IllegalAccessException e) {
// TODO Auto-generated catch block
e.printStackTrace();
System.exit(-1);
}
```
ポイントとしては、完全修飾名の「fullClsName」を引数にクラスオブジェクトを取得(Class#forName())してからインスタンスを生成(Class#newInstance())しているところです。

この処理で生成したクラスを返却してやれば、動的に「CommandIF」を実装したクラスを実行することができます。

## まとめ
役割分担すると「ポリモーフィズム」が使いやすいということです。

<サンプル動画>

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Java Basic 〜インターフェースの扱い方 CommandIF〜

インターフェースの扱い方

java.util.Listやjava.util.Mapのインターフェースを使用することは多いと思います

今回は、自作したインターフェースを使用してみようと思います。

==<今回のやりたいこと>===
自作したインターフェースを使用して、起動するクラスを切り替えて実行しようというものです。

具体的には、インターフェースCommandIFを作成し、以下の2つのクラスに実装、メインメソッドで標準入力を受けて入力した文字列によって2つのクラスのうちどちらを起動するか選択できるようにする。

  1. HelloCommand
  2. ReadyCommand

起動した時の動画です。

インターフェースサンプルを作る

  1. まずはインターフェースクラスを作成します。
    下のように、インターフェースを定義

    public interface CommandIF {
    }
  2. インターフェースに、実装クラスで起動するメソッドを定義します。
    ここで作成するメソッドは、実装(implements)したクラスで必ず定義しなくてはいけないメソッドになります。

    public interface CommandIF {
    /** コマンドを実行する */
    public void execute();
    }

    完成したコードはGithubにあります。

  3. インターフェースを実装する
    今回は下のように2つのクラスに実装(implements)しました。

<メインメソッドで実行する>

public class Lv3_1_RefactorLv2_Main {
    /** コマンドリスト */
    private static  Map<String, CommandIF> cmdMap;
    public static void main(String[] args) {
        // コマンドの用意
        cmdMap = new HashMap<String, CommandIF>();
        cmdMap.put("hello", new HelloCommand());
        cmdMap.put("ready", new ReadyCommand());
        // 標準入力
        Scanner input = new Scanner(System.in);

        while(true) {
            System.out.println("入力してください: ");
            String inStr = input.nextLine();
            if ("bye".equals(inStr)) {
                System.out.println("Good Bye");
                break;
            }

            CommandIF cmd = cmdMap.get(inStr);
            if (cmd != null) {
                cmd.execute();
            } else {
                System.out.println("コマンドが登録されていません。: " + inStr);
            }
        }
    }
}

上のメインメソッドでは、以下のような処理を行っています。

  1. HashMapのインスタンスをMap型の変数に代入
  2. マップのキーに"hello"、値に「HelloCommand」クラスのインスタンス
  3. 同様にキーに"ready"、値に「ReaddyCommand」クラスのインスタンス
  4. 無限ループを開始
  5. 入力を促し、標準入力を受ける
  6. マップから「HelloCommand」か「ReaddyCommand」もしくはnullを取得する(キーに該当するものがないときはNULLが返ってくる)
  7. 「HelloCommand」か「ReaddyCommand」のexecute()メソッドを実行

「HelloCommand」と「ReaddyCommand」クラスには「CommandIF」をimplementsしていますので必ず「execute()」メソッドが存在し、実行することができます。
このように、インターフェースを実装したクラスはそのインターフェース型として使用することができますので、CommandIFを実装(implements)したクラスは全て「execute()」メソッドがあり、CommandIF型の変数に代入、execute()を実行できるというわけです。

余談ですが、このインsターフェースを実装した他のサンプルもありますので、これも紹介します(動画ですが。。。)。

<応用編>

今回はそんなところで。。。

でわでわ。。。

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Java 練習問題集 ~基本レベル1の問題~

練習問題集(Training)

Javaコードの練習をします。ちょっとしたヒントもあるので頑張って解いてみてください。

Javaの文法を覚えたけど、以下のような思いがあるときに使ってください。

  • 本文の記載内容がわからない
  • まだしっくりこない
  • 基本をもっと理解したい
  • JUnitを理解したい

JUnitのセットアップ方法はこのリンクにあります。
下の方だったと思います。

注意書き

  • この問題はすべてJUnitを使用して実装します。
  • 各問題は「lvXXTraing()」というメソッドで実装します
  • 別のやり方で「LvXXTraing」というクラスを作り、メインメソッドに実装してもよいです
    public class LvXXTraing {
    public static void main(String[] args) {
        // 問題の回答
    }
    }
  • 各パッケージの関連は以下のように定義します。
  • テストケースの作成も練習します。

jp.zenryoku.practice.train: 練習問題集の問題の回答クラス
jp.zenryoku.practice.train.cls: 練習問題集のテスト対象クラス

問題一覧

基本レベル1の問題

  • LV1:System.out.printlnの応用1
  • LV2:System.out.printlnの応用2
  • LV3:変数の使い方1
  • LV4:変数の使い方2
  • LV5:標準入力を受ける
  • LV6:数字と数字以外の標準出力
    • 「正規表現」に関して
  • LV7:数字の最も下の桁
  • LV8:数値のパーセンテージ
  • LV9:商と剰余を表示
  • LV10:商と剰余を表示2
  • LV11:キャストする
  • LV12:条件分岐1
  • LV13:条件分岐2
  • LV14:条件分岐3
  • LV15:条件演算子(三項演算子)
  • LV16:配列1
  • LV17:配列2 点数の平均を出す
  • LV18:ファイルの読み込み
  • LV19:読み込んだファイルをArrayListに設定
  • LV20:読み込んだファイルをLinkedListに設定
  • LV21:プロパティファイルを読み込む

基本レベル1

LV1:System.out.printlnの応用1

コンソール表示するときには、System.out.println()の引数に値を渡すだけで表示していました。
しかし、他にも表示するときの方法があるので練習がてらに紹介します。

<問題>
System.out.printf()を使用してint型の変数numの値を標準出力に表示してください。
例:
数字の値は3です。

<System.out.printlnで実行するとき>

System.out.println("数字の値は" + num + "です。");

<ヒント>
System.out.printf()というメソッドはSystemクラスにある「out」というフィールド変数のメソッドです。
このことはJavaDocを見ればすぐわかります。
修飾子が「public」かつ「static」なので下のようなコードでアクセスできます。

System.out;

そしてこの「out」のデータ型はPrintStreamクラスです。

今回使用するメソッドのJavaDocに答えが書いてあります。

LV2:System.out.printlnの応用2

<問題>
下のようなプログラムの実行結果を1行のコードで実装してください。
※「セミコロン(;)」をつけたときは必ず改行します。
 つまり下のような書き方で実行してくださいという意味です。

System.out.println( ... );

<実行プログラム>

System.out.println("************");
System.out.println("* Welcome! *");
System.out.println("************");

LV3:変数の使い方1

<問題>
以下のコードを作成してください。

  • int型の変数「num」を宣言してください。
  • String型の変数「moji」を"test"で初期化してください。

最後に上記で作成した変数をすべて下のように一行のコードで表示してください。
※LV2と同じように1行出力してください。

LV4:変数の使い方2

<問題>
クラス「Training1」クラスを作成しTraining1型の変数を宣言してください。
そして、Training1型のクラスオブジェクトを取得して、その名前をコンソールに表示してください。

<ヒント>
Training1クラスは自作してください。
作成するクラスは以下のパッケージにjp.zenryoku.practice.train.cls配置してください。
そして、すべてのクラスはObjectクラスを親に持っています。
つまり、Objectクラスに定義しているメソッドが使用できるということです。
今回使用するメソッドはtoString()です。
同様に、クラスオブジェクトを取得するメソッドもあります。それは上のJavaDocから探してください。

LV5:標準入力を受ける

標準入力は普段パソコンを使用するときにキーボードを使用して文字列を入力すると思いますが、
その「入力」が標準入力になります。

ここで使用する標準入力はScannerクラスを使用します。
java.util.Scannerを使用するのが新しいやり方のようです。

<ヒント>
ちなみに、古いほうの標準入力の受け取りは
Systemクラスにある標準入力(System.in)をそのまま使用します。
下のようなコードです。

// 標準入力の読み取り
int in;
System.out.println("終了するときはbを入力して下さい");
while ((in = System.in.read()) != -1) {
  System.out.write(in);
  if ('b' == in) {
    break;
  }
}

LV6:数字と数字以外の標準出力

<問題>
LV5で作成したような標準入力の受け付けを行い入力した数値を表示してください。
ただし、数字以外が入力された場合は「数字を入力してください」と表示してください。
そして、入力できる桁数は5文字までに制限して、5文字を超える場合は「5文字以内にしてください」と標準出力に表示してください。

<ヒント>
Stringクラスに「matches」というメソッドがあります。

==「正規表現」に関して==
正規表現を使用してアルファベットの「a~zまで」とか数字の「0~9」までとか指定することができます。
数字の場合は「数値」ではないので0が???個のように考えます。
正規表現の例:
[a-z]:「a~z」までの小文字のアルファベット(1文字分)
[0-9]:「0~9」までの数字(1文字分)

[a-z]{2,4}:a~zまでの文字を2回以上、4回以下繰り返すことを示す

<サンプルコード(JUnit使用)>

public class StringTest {
    @Test
    public void test01() {
        String val = "123456";
        if (val.matches("[0-9]{4,}")) {
            System.out.println("Hello!");
        } else {
            fail();
        }
    }
}

<実行結果>

書式文字列に関してはこちらのドキュメントが参考になります。

LV7:数字の最も下の桁

<問題>
整数を入力し、その整数の下1桁目の数字を表示して下さい。
例:表示結果は下のように出力してください。

整数を入力してください
123450
最も下の桁は0です

LV8:数値のパーセンテージ

下の例のように、入力値Aが入力値Bの何%か表示してください。
※出力結果は整数で表示してください。⇒小数点以下は表示しない

<ヒント>
今まで使用していた「int型」は整数を格納する変数です。
パーセンテージは小数点を含むので「int型」は使用できません。
double型を使用します。

例:表示結果

2つの整数を入力してください
12
入力値A:12
24
入力値B:24
Aの値は、Bの50%です

LV9:商と剰余を表示

LV8と同様に2つの整数を読み込み、商と剰余を表示してください。
<ヒント>
商:割り算の結果
剰余:割り算後の余り

例:表示結果

2つの整数を入力してください
11
入力値A:11
5
入力値B:5
AとBの商は2.2です
AとBの剰余は1.0です

LV10:商と剰余を表示2

LV9と同様に出力するのですが、今度は下のように出力してください。
※System.out.printfを使用して、フォーマット文字列には「%f」を使用してください。

例:表示結果

2つの整数を入力してください
4
入力値A:4
3
入力値B:3
AとBの商は1.333333、剰余は1.000000です。

LV11:キャストする

<問題>
下の例のように、入力値Aが入力値Bの何%か表示してください。
ただし、表示するときは以下の2パターンの表示を行ってください。

  1. 出力結果は整数で表示してください。⇒小数点以下は表示しない
  2. 出力結果は小数で表示してください。⇒小数点以下は表示する

<ヒント>
「キャスト」というのはデータ型の変換を意味します。
この問題では「int型~double型へのキャストを使用します」

LV12:条件分岐1

<問題>
標準入力を受け取り、入力した文字列に数字が含まれている場合
標準出力に「Has Number!」を出力
そうでない場合は「No Number!」を出力してください。

例:表示結果

入力してください
uiioi1
入力値:uiioi1
Has Number!

<ヒント>
正規表現が使えます。

LV13:条件分岐2

<問題>
標準入力を受け取り、入力した文字列に「a」が含まれている
もしくは、「z」が含まれている場合に「Hello AZ!」と標準出力に表示する
それ以外は「Hello World!」と表示してください。

<ヒント>
String#contains()が使用できます。
※上の書き方はStringクラスのcontainsメソッドという意味です。

そして、JavaDocにある「CharSequence」はStringクラスに実装(implements)されているので
Stringを渡すこともできます。まとめると以下のクラスを渡すことができます。

  1. CharBuffer
  2. Segment
  3. String
  4. StringBuffer
  5. StringBuilder

LV14:条件分岐3

<問題>
標準入力を受け取り、入力した文字列に「a」が含まれている
かつ、「z」が含まれている場合に「Hello AZ!」と標準出力に表示する
それ以外は「Hello World!」と表示してください。

ヒントはありません。。。

LV15:条件演算子(三項演算子)

<問題>
標準入力を受け取り、入力した文字列に「a」が含まれている場合
標準出力に「Hello A!」と表示
それ以外は「Hello World!」と表示してください。
ただし、作成するコードは4行以内で書いてください。

例:表示結果

入力値:おおお
Hello World!

<ヒント>
条件演算子(三項演算子)の書き方

データ型 変数名 = 条件式 ? TRUEの場合 : FALSEの場合;

LV16:配列1

<問題>
配列長3のint型配列「hako」を宣言して、配列の中に以下の値を設定し
2番目の値を標準出力に表示してください。

<ヒント>

String[] mojimoji = new String[7]; // String型の配列を初期化
mojimoji[0] = "a";
mojimoji[1] = "b";
mojimoji[2] = "c";
mojimoji[3] = "d";
mojimoji[4] = "e";
mojimoji[5] = "f";
mojimoji[6] = "g";
System.out.println("配列の2番目:" + mojimoji[2]);

LV17:配列2 点数の平均を出す

<問題>
A塾には生徒が5人います。この生徒たちのテストの平均を出すために
プログラムをループ文を使用して作ってください。

仕様は以下の通りです。

  1. 生徒はA君、B君、C君、D君、E君の5人
  2. 点数は標準入力から入力
  3. 「平均点はXXXです」と標準出力に表示

例:表示結果

A君: 10点
B君: 20点
C君: 30点
D君: 40点
E君: 50点
平均点数は:30点

LV18:ファイルの読み込み

<問題>
「Wepons.csv」ファイルから文字列を読み込み中身を標準出力に表示してください。
※読み込むファイルは/src/main/java/resources以下に配置してください。

<ヒント>

LV19:読み込んだファイルをArrayListに設定

<問題>
LV18で読み込んだファイルのデータをjava.util.ArrayListにセット、データの3行目を標準出力に表示してください。

例:表示結果

CSVののデータ数は20
カテゴリID: 3
名前: たけやり
カテゴリLV: 1
値段: 10
攻撃力: 3
効果: -
両手FLG: TRUE
射程: 1
リロード: -
説明: たけでできた、やり

LV20:読み込んだファイルをLinkedListに設定

<問題>
LV18で読み込んだファイルのデータをjava.util.LinkedListにセット、データの3行目を標準出力に表示してください。

例:表示結果

CSVののデータ数は20
カテゴリID: 3
名前: たけやり
カテゴリLV: 1
値段: 10
攻撃力: 3
効果: -
両手FLG: TRUE
射程: 1
リロード: -
説明: たけでできた、やり

LV21:プロパティファイルを読み込む

LV18と同じ、/src/main/java/resources以下に「test.properties」を配置してこのファイルの中身を標準出力に表示してください。

例:表示結果

KEY: macVALUE: "マッキントッシュ"
KEY: winVALUE: "ウィンドウズ"
KEY: adsVALUE: "グーグルアドセンス"

<ヒント>
java.util.Properties#load())を使用してください。

LV22:メソッドの処理結果を確認する1

前提として、問題のメソッドは「lv22Traing()」に書きます。

それ以外に、「test01()」 メソッドを作成してください。引数なし、返り値はint型です。

test01()の処理内容は、自分で考えてみてください。

<問題>
test01の処理結果が「10」になることを確認するテストケースを作成して、テスト結果がOKになるようにしてください。

LV23:メソッドの処理結果を確認する2

前提として、問題のメソッドは「lv23Traing()」に書きます。

それ以外に、「test02()」 メソッドを作成してください。引数なし、返り値はString型です。

<問題>
test02の処理結果が「"aaa"」になることを確認するテストケースを作成して、テスト結果がOKになるようにしてください。

LV24:メソッドの処理結果を確認する3

前提として、問題のメソッドは「lv24Traing()」に書きます。

それ以外に、「test03()」 メソッドを作成してください。引数int型、返り値はString型です。

<問題>
test01の処理結果が「"a1b"」になることを確認するテストケースを作成して、テスト結果がOKになるようにしてください。

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